« ステロイド剤を塗る | トップページ | ホラー映画は苦手だが »

2011年6月 5日 (日)

久しぶりのトーハク

「写楽展」と「ブッダ展」のポスターを見て、久しぶりに東博(トーハク)に行った。トーハクとは上野の東京国立博物館のことで、美術業界語かもしれない(ちなみに東京国立近代美術館はトーキンビ)。「写楽展」はさすが東博という感じで、国内外から可能な限りの写楽を集め、関連の浮世絵を含めて300点近くを並べる大展覧会だ。

東洲斎写楽は、寛政6(1794)年に大判刷りの役者絵28図で華麗にデビューした後、わずか10ヵ月で忽然と姿を消した謎の浮世絵師だ。この展覧会は彼が手がけた146図のうち、142図を集めるという、ほぼ完璧な展覧会で、出品は半分以上が海外で、米国を中心に欧州各地にまたがっている。

見ていると、「粋」というほかない。眉を吊り上げ、目玉を真ん中に寄せ、口をへの字に曲げた俳優たちの絶妙な顔つき。一本一本が別の方向を向いた指。その様式化された姿が楽しい。

これらの役者絵が、誰がいつどの芝居小屋でどの芝居のどの役を演じたのかが明確にされているとは、実は知らなかった。具体的な興行を見て、取材して描いたわけだ。カタログによると、写楽の場合は興行が始まる前に稽古を見せてもらったり、楽屋に行ったりして描いたらしい。

版画にして大量に売れば、芝居を見た人も見なかった人も楽しむ事ができる。こうした企画を考えたのが、少し前にサントリー美術館で展覧会が開かれた、蔦屋重三郎だ。いわば出版プロデューサーである。

「写楽展」の後に本館で開催中の「ブッダ展」を見たが、こちらは失望した。手塚治虫の「ブッダ」の原画に東博所蔵の釈迦の仏像を並べただけのもので、規模も小さい。東博が何でこんな展覧会をやるのかと思ったが、チラシを手にしてわかった。現在公開中のアニメ「手塚治虫のブッダ」の告知がある。つまり映画の「番宣」=番組宣伝のための展覧会だ。展覧会の主催者に東映が入っているのもうなづける。天下の東博も大変な時代だ。

「写楽展」は6月12日まで、「ブッダ展」は26日まで。


|

« ステロイド剤を塗る | トップページ | ホラー映画は苦手だが »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/51857873

この記事へのトラックバック一覧です: 久しぶりのトーハク:

« ステロイド剤を塗る | トップページ | ホラー映画は苦手だが »