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2011年6月30日 (木)

「タレント・キャンパス・トーキョー」は二流の証明

大学で「タレント・キャンパス・トーキョー2011への参加募集」という掲示を見た。「タレント・キャンパス」と言えば、ベルリン国際映画祭中に、著名な監督や俳優などが若者向けの連続講演会をするものだと思っていたが、この東京版ができるようだ。

読んでみるとかなり違う。日本を含む東アジアから12名から15名の監督、プロデューサーを目指す若者を東京フィルメックスの期間中に招待し、第一線の監督たちから英語の(!)レクチャーを受けるという。

一体誰のための企画だろうか。日本ではクリエイティブな才能を持つ若者に英語力を求めるのは難しい。とするとアジアの将来有望な若者のためか。当たり前だが、すぐれた才能は、さまざまなところからひとりでに出てくる。一週間のレクチャーで何が期待できるだろうか。

もちろんやること自体は国際交流につながるし、悪いことではない。しかし航空運賃や宿泊費まで負担してやるべきことかどうか。予算は東京都。東京フィルメックス自体が予算がなくていつも苦労しているのだから、映画祭本体にもっと助成金を出すべきだろう。

日本の国際映画祭は政府や自治体の予算が少なすぎる。東京国際映画祭でさえも、50%以下だ。それなのに、経産省や文化庁はフォーラムとかシンポジウムとか関連企画にばかりお金を出そうとする。映画祭本体にまともな作品を集めるために十分なお金を使っていないから、東京国際映画祭は25年もやっていながら、世界ではいまだに二流の位置にある。

ベルリンのタレント・キャンパスの東京版なんて二番煎じは、まさに二流の証明だ。

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