迷走するフランス映画祭
6月23日からフランス映画祭が始まる。これまで長い間、六本木のシネコンで3月に開催していたのが、6月に有楽町朝日ホールになった。1993年に横浜のパシフィコの大ホールで始まったフランス映画祭が、六本木、お台場、大阪のシネコンに移ったのが2005年。そして今度はまたホールに移る。迷走しているのではないか。
2005年にシネコンに移った時、ファンからは非難の嵐が起こった。一言でいうと、「映画祭らしい一体感がなくなった」。そのうえに、日本での公開が決まっている作品が中心になったことも、評判が悪かった。
それを決めた当時のユニフランスのメネゴーズ会長に、理由を聞いたことがある。「すべては日本の配給会社の意向を汲んでのこと」。カンヌの後では意味がない、配給会社が買った作品のショーケースにして、監督や俳優をフランス側の費用で連れてきて欲しい、シネコンで映画マニア以外の観客を呼び込んで欲しい、云々。
今から考えて見ると、場所も中味もフランス映画祭の「東京国際映画祭化」だったような気がする。そして会長が代わり、また元に戻る。しかしシネコンに慣れた観客に、朝日ホールの固い椅子や狭いスクリーン、不十分な音響が我慢できるだろうか。
中味は配給が決まった作品が半分で、かつてのようにゴダールの未公開作品が上映されることはない。そして団長はリュック・ベッソン。映画マニア向けなら朝日ホールでいいのだろうけれど、この内容では。
試写で未公開作品を1本見た。『消えたシモン・ヴェルネール』。新人の第一回作品で、高校生が次々に失踪する事件を、複数の高校生の視点で再現してゆくもので、途中まではなかなかおもしろかった。いかにも映画学校を出たばかり若者が作ったような、ちょっと頭でっかちの映画で、日本で公開は無理だろうが。
個人的には、カンヌに出ていたアラン・カヴァリエの新作が見てみたい。
| 固定リンク
「映画」カテゴリの記事
- 『実録!東映三角マーク宣伝部』を読む(2026.07.13)
- 『よき谷の物語』に震撼する(2026.07.11)
- ポー河から考えるイタリア映画史(2026.07.15)
- 『ルオムの黄昏』に引き込まれる(2026.07.07)
- 『映画監督 崔洋一 映画は闘争だ!』を読む:続き(2026.07.03)


コメント