企業の売り上げ
『週刊文春』で坪内祐三氏が取り上げていたのが、『帝国データバンクのパッとわかる業界地図』。文庫本紹介の欄というのが笑えるが、さっそく買ってみると確かにおもしろい。いわゆる有名な企業というのと、売り上げは結びつかないことがよくわかる。
出版業界で売り上げが一番多いのは、角川グループで1401億円。次は集英社1305億円、講談社1233億円、小学館1177億円と続く。驚くのは、新潮社が297億円、文藝春秋が275億円と大きな差があることだ。この2つはより文学系のイメージだが、講談社とこれほど差があるとは思わなかった。角川は映画部門も含めての数字だ。
純粋な出版社ではなく、情報系だともっと大きい。ベネッセが4066億円、リクルートが3189億円、ぴあだって927億円もある。ベネッセは進研ゼミが大きいのだろうが。
映画業界だと東宝が1990億円。東映1088億円、松竹903億円。ちなみにアスミック・エースが87億円、日活が64億円。日活が日本テレビの子会社になっていたとは知らなかった。角川が大映やヘラルドを買収できたのは、全体で東映や松竹を上回る売り上げだったからだとわかった。
テレビはNHKが6742億円、フジが5897億円、TBSが3428億円、日テレが2979億円、テレ朝が2354億円。やはり映画や出版業界より大きい。
広告はもっと大きい。電通が1兆8334億円、博報堂が9365億円、アサツーディ・ケイが3466億円。
自動車はさらにすごい。トヨタが18兆9937億円。日産が8兆7731億円。なんだかわからなくなってきた。
この本には書いてないが、社員の給料は会社の売り上げとまた別である。この中で高いのは電通、フジ、講談社ではないか。たぶん新潮社の平均給与はトヨタより高いだろう。会社の知名度と規模と給与の関係は複雑だ。
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