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2011年6月18日 (土)

ジュリエット・グレコのコンサートに行く

もともとシャンソンは苦手だ。いかにも「おふらんす」という感じがする。正確にはシャンソンが嫌いというより、シャンソンを好きな日本人が気持ち悪いのかもしれない。そんな私がジュリエット・グレコのコンサートに行った。招聘元の社長が知り合いで、招待してもらったからだ。

一言で言うと、行って良かった。シャンソンを知らない私は、彼女をコクトーの『オルフェ』やルノワールの『恋する女』に出てくる、長い黒髪のエキゾチックな風貌として記憶していた。

舞台に登場した時、まさかと思った。84歳のはずだが、とてもそれは感じられない。もちろん1950年代の華奢なイメージではないが、相変わらず黒い服を着て、軽やかに冗談を交えながら語る。

もちろん大きな声は出ない。映画にも「パリの屋根の下」とかジャック・ブレルの「行かないで」などは、もっと朗々と歌って欲しかったが、むしろ朗読のように言葉を短く切りながら、リズムでつないでゆく。それはそれで心地良かった。

しかしシャンソンというのは、何と暗い内容が多いことか。過去をうじうじと思いだし、「私を捨てないで」と叫び、年を取ったことを嘆き、もうすぐ死んだあなたのもとへ行くからと言う。恋愛から生まれるマイナス部分をすべて引き受けているように思えた。レオ・フェレの「時がたつと」Avec le tempsなどは、時間とともにすべては灰色になり、最後は人も愛さなくなる、と終わる。何と暗澹たる終わり方だ。

セルジュ・ゲンズブールが彼女のために作った歌が聴けたのも、よかった。「ジャヴァネース」や「プレヴェールに捧ぐ」など。

マリー橋を巡る歌も好きだったが、曲名を思い出せない。

これから、少しずつシャンソンを聴き始めようかと思った。

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