「名和晃平展」の演出度の高さ
最近は評判のいい日本の現代美術作家に失望することが多かったが、木場の東京都現代美術館で8月28日まで開催の「名和晃平」展は、久々におもしろかった。とりわけ全体の演出度の高さに目を見張った。
もともと日本の現代美術は、コンセプトは強くても、演出というか、ショーアップが欠けている場合が多い。ベネチア・ビエンナーレ等で世界の中に並べてみると、それははっきりわかる。いつも日本館は近くのフランス館、イギリス館、アメリカ館に比べていつも「見せる」努力が欠けていると感じる。
今回の「名和晃平」展は、その意味で部屋ごとに明らかな演出があり、次の部屋にはいるたびに驚きがある。各作品はデジタルでできたような不思議な物体だが、妙な皮膚感覚を持って迫ってくる。そこに当てられたこの世とは思えないような照明で、異世界を漂う気分になる。
見えているうちに、人間とは何かに始まって、生物とは、地球とは、宇宙とは、と思考が巡る。それを支えるのは丹念に細部を作り込まれた造形だ。ビーズや発砲ポリウレタン、シリコンオイルなどの現代的で流動的な素材が、なぜか懐かしい根源的なものに見えてくる。
この展示を今年のベネチアに持って行くべきだったと思う。フランスの週刊誌で日本館の束芋が「ディズニーランドレベル」と書かれていたのを思い出した。一昨年のやなぎみわもそんな感じだったが。
「名和晃平」展は、現代美術を日頃見ない人にも是非見て欲しい。現代美術の醍醐味がそこにあるから。
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