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2011年7月18日 (月)

何十年ぶりに酒をぬく

2晩連続して酒を飲まなかった。前日に大酒を飲んで反省したこともあるが、家人が薬のために飲酒を禁じられたので、付き合ってみた。考えてみたら、ここ何十年も毎晩酒を飲んできた。最初に勤めた職場を辞める頃には毎晩飲んでいた記憶があるので、約二十年ぶりの酒抜きだ。

定期検診のたびに医者から「休肝日を」などと言われたが、まじめに聞かなかった。もともと二十年以上病院にかかっていないが、海外出張のための睡眠薬をもらう時に「アルコールは飲まないように」と言われても、言うことを聞かなかった。海外のホテルに夜中に着いても、部屋の冷蔵庫になければ近所を探し回ってでもビールを飲んだ。

だから酒を止める時は死ぬ時だと思っていた。それがいとも簡単に止められた。代わりに飲んだのは「ノン・アルコールビール」。キリンから出ている緑のラベルとサントリーの白いラベルとを飲み比べたが、これがどちらもよくできている。泡が立ってビールの味がするから、一瞬だが同じに思える。飲んでも飲んでも酔わないが、お腹はゴボゴボしてくる。

止めた最初の夜は、よく眠った。翌日、すこぶる体調がいい。スポーツクラブに行って血圧を測ると、いつもより下がって110台だ。調子に乗ってもう一晩酒を抜いてみた。

長い間酒ばかり飲んできた人生について考えながら、本棚にあった文庫版の開高健編『それでも飲まずにいられない』をめくってみた。開高以外にも吉行淳之介、山口瞳など錚々たるメンバーが酒について書いているが、昔の文人の酒量はすごい。遠藤周作の「酒のためにやった愚行は酒の酔いがさめると共に、身をさいなむ」というくだりがおもしろかった。私も昔は酒でよく失敗した。上司に暴言を吐き、後輩をいじめ、セクハラに及んだ。帰り道に知らない人と喧嘩したことも何度かある。

最近は飲んでも人に迷惑をかけなくなった(と思う)。だんだんストレスの少ない仕事に移ってきたからだろうか、あるいは単に年のせいか。しかし今回、いつでも(たぶん)酒を止められるとわかった。さて次の「休肝日」はいつになるだろうか。

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