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2011年7月23日 (土)

『監督失格』に困惑

先日、『死ね!死ね!シネマ』に困ったという話を書いたが、もっと変な映画が現れた。平野勝之監督の『監督失格』。由美香という名前の自分の愛人を14年間撮った日記のような映画で、その徹底した極私性に圧倒された。

私はピンク映画にもAVにもくわしくない。林由美香という女優が200本を超える作品に出た伝説的女優というのも知らなかったし、平野監督の『由美香』も聞いたことはあったが、見ていなかった。

映像は14年間の由美香を写す。由美香は監督への思いを話したり、母親に電話したり、おしっこをしたり。北海道の旅行のようにアシスタントが2人を撮っている場面もある。礼文島行きを達成して、全裸の楽しそうな2人。いわゆる「日記映画」特有のおもしろさがある。

淡々と2人の関係を語る映画だと思って見ていたところに、由美子の自殺現場にカメラが入る。そこに現れた人々のそれぞれの反応。とりわけ母親の姿が強く印象に残る。

映画には普通の人が見られないものを見せる、という役割がある。とりわけドキュメンタリーはそうだ。しかしこのような極私的映像を見せる必要があるのか。確かに死まで入れることで、話題にはなるだろうが。映画には自殺現場そのもののショットは映っていない。これは本当は撮ったのかどうか。葬式はあえて写真で構成している。これはなぜか。

普通だと東中野あたりだろうが、何と9月3日からTOHOシネマズ六本木ヒルズでの公開。プロデューサーが庵野秀明氏だからだろうか。10月の山形国際ドキュメンタリーでもコンペに出るので、話題になるだろう。多くの疑問や論議を起こす映画であることは間違いない。

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