『原発のウソ』に震える
最近は書店に行くと原発関係の本がたくさんあってどれを読んでいいかわからないが、先週の『週刊文春』で小林信彦氏が触れていた小出裕章著『原発のウソ』を買ってみた。読んでいて震えが来るほど衝撃的な内容だ。
今回の事故ですでに広島原爆の80発分の放射能が拡散していて、最終的にはもっと増えるということ。そんなことは新聞に書いていない。「ただちに影響はないレベル」の放射能でも、長期的には影響を及ぼすこと、特に細胞分裂がさかんな子供には何倍も影響を与えるという。「安全な被曝量は存在しない」。
この本は「大人や高齢者が汚染された食物を積極的に引き受ける」ことを提案する。50歳を越すと、放射能によるガン死の可能性は劇的に低下するからだという。そのグラフを見ると、子供の危険性は50歳以降の100倍くらいありそうだ。
電力会社が今回責任を取ろうとしないのは、「原子力損害賠償法」があるからだという。自らが責任を取らないものを作る企業というおかしな形は、合法化されているのだ。
原発は環境にいいというが、海水を発電所に引き込んで、7度温めて海に戻すことが必要だという。その量は日本全体で1秒間に70トン。地球温暖化の大きな原因だ。
いわゆる核燃料サイクルは、敦賀の「もんじゅ」も六ヶ所村の再処理工場も完全に破たんしているのに、誰も止めようとしない。
現在、低レベル放射性廃棄物のドラム缶が70万本あって、20万本が六ヶ所村に埋められている。300年間は危険という。高レベル放射性廃棄物の量は書かれていないが、地面に埋めるしかないので、20億円の補助金付きで自治体を探しているところらしい。こちらは100万年間危険が続く。
そもそも地震の多い日本に原発は作ってはいけなかった、というのがこの著者の結論だ。この人は1949年生まれだが、京大原子炉実験所の「助教」、つまり助手だ。たぶん原子力を研究しながら原発に反対してきたので、教授になれなかったというパターンだろう。
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