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2011年8月 2日 (火)

やっぱり東博

やはり上野の東京国立博物館(=東博)は一番だ。9月25日まで開催の「空海と密教美術」展を見て、改めてそう思った。ここになら、京都や奈良のお寺がこぞって国宝を出してくれる。天井は高く、展示スペースは広い。いわゆる「見ごたえのある」というやつだ。

チラシに「国宝 重要文化財 98.9%」と書かれているが、出品されているのは99点で国宝でも重文でもないのは「金念珠」という空海が持っていたとされる数珠だけだ。

素人には後半の仏像が圧巻だ。とりわけ最後の東寺の8体の仏像が並ぶ「仏像曼荼羅」は、完全にトリップしてしまう。9世紀に作られたというのに、細部まで計算尽くされた造形が生み出す迫力と深遠なたたずまいに、現代の我々も言葉を失う。仏像を見ているうちに自分が見られているような気分になり、心は宇宙へ飛ぶ。

最新の光ファイバーやLEDを使った照明は惚れ惚れするほどで、真っ黒な空間の中に仏像の一つ一つの表情を浮かび上がらせる。10年前はこんな照明はなかったと思う。それにしても1000年以上前の木彫が、これほど保存状態が良く残っていることにも驚く。数十年単位で建物を建てたり壊したりしている我々は何なのかとも思う。

前半は書が多くて、いくら国宝でも素人にはちょっと退屈だ。あるいはぼろぼろに剥げた曼荼羅図も、ほとんど判読不能だ。空海が持ち帰ったらしい密教の法具もよくわからない。前半部分は映像などを使って、もう少しわかりやすくして欲しかった。

後半の仏像の大群を見るだけで、真夏の日々に爽やかな刺激を与えてくれるのは間違いない。

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