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2011年9月16日 (金)

むかなつ躁状態

『負け犬の遠吠え』で有名な酒井順子氏は私より数年若いはずだが、雑誌で「むかなつ躁状態」について書いていた。最近、彼女の回りで「昔を懐かしみたい欲求」をむき出しにする人が増えているという。なかにはあまりにも楽しくて、「むかなつ躁状態」に陥っている人がいるという。

確かに自分の回りでも、フェイスブックで昔の彼女に再開した友人がいたりする。私自身、数年前から高校や大学の同窓会に出るようになったし、来年の正月には何と中学の同窓会にも出るつもりだ。

先日出かけたパリでも、留学時代の友人たちが集まってくれた。多くはほぼ25年ぶりの再会だ。会社社長をしていたり、広告デザイナーだったりといろいろだが、再開の瞬間というのは、いわく言い難い快感が走る。「信じられない」「全く変わっていない」「どうやって生きてきたんだ」といった言葉が交わされる。日本と同じだ。とりあえずその一晩は、現況を語り、昔の話をして、あっと言う間に過ぎた。

別れ際に「またパリに来る時は連絡しろ。集まるから」と言われたが、しばらくは連絡しない方がいい気もする。一晩の終わり頃には、もう話すことはなくなっていた。あと十年くらいしたらまたおもしろいかもしれないが。

酒井氏は40代半ばだが、その年になると、会社に勤めていてもフリーでも、先が見えてくる。自分はだいたいこんなもの、とわかってくるので、未来への希望や野心がなくなる。そうして過去に関心が向かう。それは甘美だが、そんなに長続きするものではない。

もはや将来への大きな野望や期待はなくても、今を楽しみ、自分なりの小さな目標を作っていくしかないような気がしている。「むかなつ」に浸りすぎないように、と自らに言い聞かせているこの頃だ。

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