« 川村湊訳の『梁塵秘抄』に笑う | トップページ | コミュニケーション能力なるもの »

2011年9月27日 (火)

『灼熱の魂』はおもしろい

最近の試写で最もおもしろかったのが、12月に公開されるカナダ映画『灼熱の魂』だ。実を言うと、題名と試写状の暑さで死にそうな女性の顔写真から、なぜかアフリカで苦労する欧米女性の話だと勝手に思っていたが、全く違っていた。

物語は、亡くなった母親から残された遺書を頼りに、子供たちが中東出身の母の足跡を探すというもの。子供たちの探索と、母親の若い頃の映像が巧みに交互に織り込まれ、見ていると自然と「兄は」「父は」という疑問を追いかけてゆくことになる。厳しい中東の現実を描きながらも、サスペンス仕立てに仕上がっているので、全く飽きない。そして後半に知らされてゆく恐ろしい事実。

母の人生がすさまじい。レバノン内戦をもとにしているらしいが、映画では国名は特定されていない。異教徒の青年の子供を身ごもった故に故郷を追われ、大学に行くが内戦で封鎖。焼け野原でテロリストになって、監獄へ入れられる。そこで厳しい拷問にも耐え、「歌う女」と呼ばれる。そして内戦が終わり、カナダに渡る。
世界には、このような厳しい運命を生き延びた人々が、実際に各地に生きているのだろう。

俳優たちがいい。まるで役そのものを生きているようだ。特に母親を演じるルブナ・アザバルと娘役のメリッサ・デゾルモー=プーランの黒い瞳の強い眼差しが、心に残る。

実を言うと一度見ただけでは、よくわからないシーンがあった。プレスを読んで細部までわかったが、公開されたらもう一度劇場で見たい。

|

« 川村湊訳の『梁塵秘抄』に笑う | トップページ | コミュニケーション能力なるもの »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/52842463

この記事へのトラックバック一覧です: 『灼熱の魂』はおもしろい:

« 川村湊訳の『梁塵秘抄』に笑う | トップページ | コミュニケーション能力なるもの »