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2011年10月 3日 (月)

子供を思う親の映画2本

自分には子供がいないせいか、子供を思う親の映画がピンとこないことがある。最近見たなかでは、12月23日公開の中国映画『運命の子』と11月5日公開のアメリカ映画『ラビット・ホール』が、よくできていると思いながらもいま一つ乗れなかった。

『運命の子』は、チェン・カイコーの新作。かつて『黄色い大地』(84)で中国の「第五世代」の騎手となり、最近では『花の生涯~梅蘭芳~』が何とも魅力的だった監督だ。今回は同じ歴史ものでも、極めて繊細な『花の生涯』とはうって変わって、壮大なアクション映画だ。

謀反によって自らの妻子をも殺された中年の医師が、恩義ある君主の長男を引き取って復讐させるという濃厚な物語。そのうえその医師は謀反を起こした武官の家臣となり、子供は2人の父を見て育つ、というもの。優雅で残酷なアクションシーンが、これでもかとコテンコテンに続く。

それでもおもしろいのは、医師を演じるグォ・ヨウや謀反を起こす武官役のワン・シュエチーを始めとして、役者たちが魅力あふれるからだと思う。それにしてもこの二人の父性愛は、自分にはわからなかった。

『ラビット・ホール』は『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督の作品だが、これはむしろ製作と主演を兼ねたニコール・キッドマンの映画というべきだろう。彼女が失った息子を悼む気持ちが全編に溢れている。

子供を亡くした夫婦の擦れ違いを描いた映画だが、一見普通に見えてどこか不自然な関係を、手持ちのカメラが繊細にとらえる。妻は息子の命を奪った少年を追いかけて話を始め、夫はアジア系の女性を追う。

こちらは母性愛が中心なので、私にはいよいよ遠かった。それからアメリカ映画でよくある「告白の会」が出てくるが、私はこれが全く理解できない。キリスト教的な告白の文化がないからだろうが、いつも見ていて困惑してしまう。

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