スタンドカラーの建築家
イラストレーターの安西水丸が、少し前の「読売新聞」夕刊に「芸術とか、芸術家とかいう言葉が恥ずかしい」と始まる文章を書いていた。そこでおかしかったのは、芸術家ぶる人が「少しも似合わないマオカラーを着る」と書いているくだり。
マオカラー、つまり毛沢東が着たようなスタンドカラーのことだ。これは安西氏が指摘するように建築家やデザイナーに特に多い。磯崎新、隈研吾などが少なくともかつてはそうだった。グラフィック・デザイナーだと田中一光、映画監督だと吉田喜重、インテリだと浅田彰、作家の大江健三郎。何となく80年代のバブルの頃を思わせるメンツだ。その前の世代、建築家だと丹下健三とかデザイナーだと亀倉雄策とかはスーツにネクタイだが、その次の世代はスタンドカラーにこだわった。
亡くなった田中は別にしても、このなかで今もスタンドカラーなのはほとんどいないような気がする。安西水丸は、「全国のデザイン会議などがあると半分くらいマオカラーを着て現れる」と書いているので、今でもそれほど有名でないデザイナーや建築家は、全国各地で着ているのだろうか。
何にしても「らしい服装」は苦手だ。政治家らしいスーツ、広告代理店らしいスーツ、新聞記者らしい恰好などと考えると、笑ってしまう。それにしても「大学の教師らしい服装」というのはあるのかな。とりあえず写真を取られる時に、本棚の前でポーズを取ることだけは避けようと思っているが。
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