またエール・フランスに乗ってしまった
仕事でプラハにやってきた。もともとはアムステルダム経由のはずだったが、このブログに書いたようにKLMと喧嘩して、エール・フランスに変えてしまった(同じグループだったと後で気づいた)。JALにしなかったのは乗り継ぎの便利さもあったが、何より価格が10万円以上違った。エール・フランスはプレミアム・エコノミー(PE)ですべて込みで22万円。
価格以外のJALとの違いは、JALはPEでラウンジが使えるがAFはパリでしか使えないくらいか。あとは欧州での乗り継ぎの後はJALはエコノミーになるが、AFはビジネス扱い。食事も座席も大して差はない。
もっと大きな違いは、AFの方が機内上映の映画が格段にいいことだ。ラース・フォン・トリヤーの『メランコリア』を飛行機で上映するのは、世界中でもAFくらいしかあるまい。あるいはミア・ハンセン=ラヴの新作『若き日の恋』もある。そのうえ、最近はユニフランスが協力して、1人に4本の映画を選ばせている。11月はガスパール・ウリエルという俳優で、何とジャック・オーディアールの『予言者』、ブノア・ジャコの『今すぐに』、ゴダールの『軽蔑』などを選んでいる。
『メランコリア』はどうだったかと言えば、ヨーロッパの金持ちインテリの憂鬱を正面から描いた怪作という感じか。お城での豪華な結婚式のパーティに遅れたばかりか、夫から逃げて、庭で行きずりの男と関係を持つ新妻(キルスティン・ダンスト)の話が前半。後半はその姉(シャルロット・ランプリング)が妹を預かって慰めるが、憂鬱のもととなる星が近づくにつれて、兄夫婦はおかしくなり、兄は馬に殺されてしまう。
何度も何度もワーグナーの「ニーベルングの指輪:が流れ、まるで100年前の西洋の没落をもう一度繰り返しているようだ。『アンチ・クライスト』のような衝撃はないが、ラース・フォン・トリヤーらしい退廃的な魅力は一杯だ。
もう1本は結局『軽蔑』を見てしまった。私はこの映画の冒頭で、カメラがレールの上を手間に向かってくるシーンだけで涙が出てしまう。ミシェル・ピコリとブリジッド・バルドーの微妙な気持ちのずれ。フリッツ・ラングのカッコよさ。時間を忘れてしまった。JALでも『東京物語』などやればいいのに。
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