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2011年11月22日 (火)

どこへ行くのか東京フィルメックス:その(1)

「東京フィルメックス」が始まって、今年で12回目だという。この映画祭が2000年に始まった頃は、東京国際映画祭が最低の頃だったから、ずいぶん新鮮に見えた。ところが、その後東京国際映画祭がアジア映画を中心にだんだん充実してくると、東京フィルメックスがかすんできたように見える。

そんな中で、フィルメックスらしいというのは、必ず毎年登場する変な作品群だ。3年前だったが、ツァイ・ミンリャンの『ヴィザージュ』のような変てこな映画をオープニングで上映するのは、ここくらいしかない。

昨日見た2本も変だった。韓国映画『カウントダウン』は、長編デビュー作というが、何とも不思議なジャンルの混交だ。ギャング映画風のアクションを中心に、二つの親子のメロドラマが展開する。主人公は末期肝臓がんで、ある女から移植を受けるために奔走するという筋だが、何が目的か途中でわからなくなるような込み入った展開だ。そのうえ、後半のショパンの音楽が鳴り響く父子や母子のシーンは長いし、くどい。119分ではなく90分だったら良かったのに。

スリランカ映画『フライング・フィッシュ』も長編デビュー作だが、こちらははまぐれもない傑作だ。しかし筋がわからない。最初にかなり強烈な性交シーンがあって度肝を抜かれるが、終盤の同じようなシーンにはもっと驚く。カメラは実に遠くから人々をとらえるので、誰が誰かなかなかわからない。

なぜか岩盤で立ったままセックスをするのは、若い女性と少し年配の女性の2人がいて、それぞれのシーンを覗く男がいる、ということがだんだんわかってくる。そして何やら凶暴な兵士たちが威張りたてる。どうやらとんでもないことがこの村で起きているようだ。人々の生活は貧しいが、緑の野原や海は限りなく澄んでいる。半死のウサギやつぶされた魚など、さまざまなイメージが飛び交う。いやはやとんでもない才能だ。サンジーワ・プシュパクマーラという監督の名前を覚えておきたい。

最近、東京国際映画祭がまとまりのいいウェルメイドな作品を揃えることを目指しているだけに、ここの変な映画群は頼もしい。

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