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2011年11月21日 (月)

やっぱりおもしろいソダバーグ

スティーヴン・ソダバーグの『コンテイジョン』をようやく見た。やはり才人ソダバーグはおもしろい。世界中にウィルス感染病が広がってゆくという話だが、アクション中心のデザスターものにも、家族ドラマにもせずに、クールに描いている。

マット・デイモンから、ローレンス・フィッシュボーン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ、ケイト・ウィンスレットからフランスのマリオン・コティヤールまで、ギャラの高そうな俳優がどんどん出てくる。すごいのは、これらのスターを誰も中心に置くことなく、ある意味で使い捨てにしていることだ。

最初は舞台がシカゴやミネソタから東京、香港、ロンドンとどんどん飛ぶので、何が何だかわからない。それがウィルスの一点で結びつき、病人たちと医者たちと彼らの家族の話が世界規模で駆け巡る。誠実な医者でさえも家族へのワクチンを優先するように、ここでは善人も悪人もいない。デマをブログで書き続けて世の中を混乱に陥らせるジュード・ロウ演じるアランでさえも、全く悪いとは言いにくい。

数百万人が死ぬのだから、アメリカ映画なら大混乱のシーンがありそうなものだが、あくまで局部的だ。薬局を襲ったり、スーパーから勝手に商品を持ち出したりはあるが少ないし、むしろグラスの一杯とか、握手とかのアップの積み重ねがすごい。そしてその細部が積み重ねられて、だんだん怖くなってゆく。

見終わって身震いがした。なんだか他人との接触が怖くてトイレに行く気にもならない。六本木のTOHOシネマズで見たが、クリスマスのイルミネーションを楽しむ若者たちを見て、気が遠くなりそうだった。早く家の中に籠りたくなった。ある意味でこれは「ポスト9.11」の映画である。政府の発表を誰も信用せず、ブログのデマにひっかかるところも含めて。

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