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2011年11月23日 (水)

畠山直哉の絶対風景

恵比寿の東京都写真美術館で「畠山直哉展 ナチュラル・ストーリーズ」を見た。この人の写真は「絶対風景」とでも呼びたいような強度がある。日本人離れしたというか。

それは荒涼とした東北の山だろうが、渋谷川の暗渠のようなショットだろうが、人間味がない。日本の戦後の写真というのは、とにかく人間の温かみをどこかに出したものが多いが、この人はそういうことを徹底して避けている。

今回の写真の多くはフランスとかドイツとか海外が中心だ。製鉄所や炭鉱の跡。しかし日本だろうが海外だろうが、まるで人間が無化するような光景をとらえている。山の頂上に小さく見える2人の人影を見ていると、まるで人間が風景に呑み込まれるような感じだ。

そして、真ん中に東北の地震の写真があった。その連作はあえて小さなサイズ60枚で、被害の後を淡々と捉えている。ここにも人間はないが、どうしても心は落ち着かない。その真ん中にビデオ画面があって、被害前の風景をスライドショーで映している。これもごく普通の風景だ。この控えめな対照が、何か強いものを語っている。チラシによれば、この写真家は陸前高田市の生まれだという。

畠山氏には昔どこかで紹介されたことがあったが、言葉少なく、極めてシャイな印象だった。それがこの強度のもとなのかもしれない。12月4日まで。

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