独身女性の闇
昨日、ここで「主婦の闇」について書いた後に朝日の朝刊を見ると、「単身女性 3割強が貧困」という見出しの記事が一面にあった。ちょうどDVDで阪本順治監督の『顔』を見直したばかりだったこともあり、「独身女性の闇」についても考えてみた。「大きなお世話!」と言われそうだけど。
朝日の記事によれば、20歳から64歳までの勤労世代で、32%が「貧困」であるという。「貧困」というのは、国民の一人の可処分所得を計算して順番に並べ、その真ん中の人の半分以下の人々を指す。具体的には114万円未満。可処分所得とは個人所得から税金や社会保険料などを引いたいわゆる「手取り」だから、これが年間100万円ちょっとというのは相当にきつい。
これには訳があって、派遣などの非正規で働く女性は、女性雇用者全体の54%を占める。男性は19%なのに。「派遣切り」などの問題は男性のものかと思っていたが、働く女性の半分以上は正社員でないとは知らなかった。
いつからこうなったのか。この10年間の強欲資本主義が、世界中でこうした女性の「使い捨て」を進めたのではないだろうか。会社の生き残りのために、人件費を削り、その際に「社員」だけを守るという手法だ。
「貧困」の人々のための生活保護は、結局財政に跳ね返る。これでは日本全体が倒れてしまう。企業は「正社員」と「派遣」や「アルバイト」の区切りを見直す、根本的な改革をする時ではないか。
映画『顔』では、家事手伝いの35歳の女性が妹を殺してからの逃避行を描く。ブスでドジな主人公を演じる藤山直美の存在感がすごい。特にあの視線や声。逃げて逃げて彷徨って、離島の港まで来たラストは今年の映画『八日目の蝉』をも思わせた。
「逃げる女」ということを考えていたら、アントニオーニの『情事』やイラン映画の『彼女が消えた浜辺』の「消えた女」のことも思い出した。映画史における「逃げる=消える」女について考えてみた方がいいかもしれない。男性中心社会の裏面が出てきそうだ。
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