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2011年12月 6日 (火)

都現美は大丈夫か

東京都現代美術館は、1995年にできた時からほとんどの企画展を見ている。河原温や中西夏之、草間弥生など記憶に残る個展も多い。しかし現在開催中の2つの展覧会を見て、都現美は大丈夫かと思った。

まず1月15日まで開催の「建築、アートがつくりだす新しい環境―これからの“感じ”」展がひどい。題名からしていやな感じがするが、見ておもしろい展示物がどこにもない。もともと建築展は難しい。図面、デッサン、写真、ビデオ、模型をいくら組み合わせても、建築そのものにはとうてい及ばないから。それでも個展ならばその建築家が会場設営まで仕切る場合が多いので、その空間を楽しめる。しかし、今回のようなグループ展だと、まるでガラクタ市にしか見えない。

目玉のヴェンダーズの新作は、SANAAによるローザンヌの建築をめぐる3D映像。およそ3Dである必然性のない、この弛緩した映像は何だろうか。アート界のセレブとなったヴェンダースの嫌なところがすべて出ている。何の関係もないバルチュスの節子夫人が例の着物で出てきたのには、思わず笑ってしまったが。

1月9日までの「ゼロ世代のベルリン」展は、それに比べるとまだ見るものがある。フィル・コリンズの映像はいかにもポストコロニアル風で好きになれないが、シモン・デゥプレー・メラーのネットで覆われた絵画は刺激的だし、イザ・ザンツケンの並んだオブジェもおもしろかった。1階の無料スペースのサーダン・アフィフも鏡を使ったインスタレーションも、ある現代的世界を作り上げている。

大半が外国人作家で、ベルリンが今やアートの世界の中心になりつつあることがよくわかる。しかし全体としては低調で、このレベルなら日本の作家でもいくらでもいるように思った。

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