年末の力作珍品1本
今年最後の試写で、かなりの珍品を見た。2月4日公開の『マシンガン・プリーチャー』だ。『チョコレート』の監督、マーク・フォスターの新作というから期待して見に行ったが、いい意味で予想を裏切る展開だった。
題名は原題そのままで、すなわち「機関銃を持った牧師」という意味だ。アフリカで機関銃を手に布教活動をする牧師の話だから、ちょっとタブーだ。
欧米の映画でアフリカが舞台になると、どこかに偽善を感じてしまう。今年だと『おじいさんと草原の小学校』や『未来を生きる君たちへ』など。欧米人の自己満足のためにアフリカを救済しているのでは、と思ってしまう。この映画も最初はそう思った。なんせ、酒と麻薬で刑務所にいた男が、出所後妻の勧めで教会に通いだして、キリスト教に目覚めるというずいぶん安易な展開だからだ。
男は教会を立てて自ら牧師となり、さらにアフリカの子どもたちを救おうと旅立つ。冒頭に30分でここまで見た時、あまりのご都合主義というか、そんな偽善は見たくないとさえ思った。ところがこの男は建設会社を経営していたうえに元ヤクザだけに、“腕”が立つ。自ら手を動かして孤児のための施設を作り、敵の襲来に対しては機関銃をぶっ放して、やっつける。
これが迫力満点で、まるでアフリカのランボーではないか。内戦に明け暮れるスーダンの子どもたちを相手に、こんなアクション映画を作っていいのだろうか。男が救助活動に力が入り過ぎてアメリカに残した自分の家族に嫌われ、次第にアフリカ人からも疎ましく思われる様子も、映画はきちんと写す。あるいは、あくまで人道的な援助をしている白人女性が襲われた時、この男が機関銃で救う場面も入れる。その意味であまたのアフリカを舞台にした映画に比べたらずっと誠実だ。
映画の終わりに、これが実話で、主人公は今も生きて活動を続けていることが示される。外国人がここまでアフリカに入れ込むことが本当にいいのかどうかわからないが、それはそれとして、相当珍しい力作であることは間違いない。個人的にはこんな男とは知り合いになりたくないけれど。
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