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2011年12月 7日 (水)

飛行機で読むエロ系小説

海外に行く時は、成田で最新の読みやすそうな文庫を数冊買う。今回買ったのは、団鬼六の『快楽王』と坂東眞砂子の『欲情』。共に文庫になったばかりだが、題名からしてエロだ。これなら、疲れていても読めるかなと思った。

『快楽王』はおもしろかった。1972年に団鬼六が雑誌『SMキング』を立ち上げた頃の話だ。まさか彼と関係があるとは、という人々が続々と出てくる。例えば、たこ八郎は、団が最初に雇った住込みの社員だとは知らなかった。最初の出演はアニメの怪獣のうめき声だったという。篠山紀信は既に有名な写真家だったが、団は彼のことを知らずに緊縛ヌード写真を頼んだという。劇画漫画家で映画も監督した石井隆も、最初は『SMキング』に漫画を描き始めたらしい。

渥美清とも親交があり、彼は団にこう言った。「あなたが文学小説を書いたって恐らく売れないでしょう。しかし、SM小説を書いたら売れるということははっきりしています。それならためらわずに売れるSM小説に徹すべきだと思いますね。/正直言って僕だって寅さん映画が売れるから次から次に出演しているんです」

性に憑かれた変人たちが大勢出てくるのも楽しい。ポルノ女優だった谷ナオミのオシッコを10万円で買いたいという社長とのやりとりや、SMのクイーンとして知られた黒川喜味子に一対一で会いたいという願望がかなった大学教授が、プレイの最中に失神してしまう話など、本当におかしい。

一方、『欲情』は、全くおもしろくなかった。何より登場人物があまりにも浅はかで、読み続けられない。実は坂東眞砂子の小説を読むのは初めてだが、ほかもこんなにひどいのだろうか。1時間ほどで斜め読みしたら、最後に「附記」があって、これは当時のパートナーであったジャンクロード・ミシェルとの共作で、二人で内容を話し合い、彼が英語で書いたものを訳したと書かれていた。何だこれは。

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