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2012年1月19日 (木)

満員の北京故宮博物館展

久しぶりにとんでもない混雑を見た。上野の東京国立博物館で開催中の「北京故宮博物館展」のことだ。平日の午後1時過ぎだったが、入口に「入場40分、清明上河図210分」と書かれていた。210分とは、3時間半ではないか。

そもそも自分は「清明上河図」(せいめいじょうかず)なるものを知らなかった。北宋時代(12世紀)に描かれた絵巻で、中国では国宝中の国宝と言われ、故宮博物館においてさえ、7年に1度しか展示しないものだという。もちろん国外貸し出しは初めてだし、上海博物館で展示された時に見に行った美術にくわしい友人は、3時間待ったと言っていた。

私は3時間半はおろか、40分も待てないタチだ。そこで考えて、左側の平成館に行かずに正面の本館に入った。そこから本館展示室を通り抜けながら左側に行くと、平成館の中に出る。特にとがめる人もいないので(本館の常設を見て平成館の特別展を見るのはむしろ正しい見方だろう)、そのまま故宮展の会場に入った。

とにかくロビーなどあらゆる場所に人がいる。それもほとんどが自分より高齢の人たちだ。「清明上河図」に入るための列があちこちに作られているので、どこが展覧会の始まりかもわからないくらいだ。その人々を見ていたら、中国語があちこちから聞こえてくる。それも横浜の中華街からきた感じの人もいれば、上海から観光がてらきたようなタイプの人もいる。そういうことか。

私はとりあえずそのほかのものを見て回った。書はよくわからないが、水墨画は強烈なものが多い。日本の水墨画に比べて硬質というか、情緒に流されず、厳しい自然を克明に描いている感じだ。ただとにかく人が多いのでよく見えない。後半の陶器や漆器、衣装などの皇帝が使ったものに関していうと、豪華絢爛、凝り過ぎで奇矯な形や色が目立つ。これは美などという生易しいものではなく、ひたすら「こんな贅沢は世界にないぞ、ドーダ」という感じだ。中国文化とは、日本美術の美学とは全く異なるバロックの世界だと思った。

肝心の「清明上河図」に関しては、拡大のパネルやいくつもに分けたビデオ映像で、だいたい見ることができた。北京の人びとの生活を幅24センチ、長さ5メートルに描いたもので、橋や船や店などで活動をする庶民が実に細かく描かれている。本物を間近に見られるのは、3時間半並んだ人だけだが、そのほかの人も1メートルくらい離れたところから遠目に見られる。私にはそれで十分だった。

「故宮展」は2月19日まで、ただし「清明上河図」は1月24日までの展示。

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