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2012年1月 7日 (土)

地震・原発の本2冊

年末に買っていた地震と原発をめぐる本2冊を立て続けに読んだ。河北新報編『河北新報のいちばん長い日』と山本義隆『福島の原発事故をめぐって』。年末の「私の3点」などで取り上げられた本だ。全く違う内容だが、ともにずしりと重い。

『河北新報のいちばん長い日』は、題名の通りの内容だ。仙台を中心とした地元紙が、3.11以降、どのように新聞を発行し続けたかを克明に追う。正直、何度も泣いてしまった。

最もおもしろいのは、やはり地震当日の記録。2:46に地震が起きて、すぐに翌日の新聞が出せるかチェックが始まる。出稿システムと輪転機は大丈夫だが、版を組むサーバーが横転して紙面が編集できないことがわかると、3:00に協定を結んでいる新潟新報に救いの手を求める。新潟新報からは即座にOKの返事が来て、整理部員2名を新潟に送る。

余震は続く。16:30に新潟新報は号外の紙面データを送るが、ネット回線が不通で受け取れない。河北のビルに間借りしている共同通信のシステムを使って受信し、東京経由で河北の印刷センターに送る。19:30に1万部が刷り上がる。

取材に出た記者たちはパソコンが使えないため、手書きの記事を持って続々と社に上がる。23:30には翌日の朝刊のデータ8ページ分が新潟で組み上がる。「絶望からはい上がるために」と題した社説は、国に対して「きょうから行動力を見せてほしい」と訴えて終わっていた。翌日03:10に河北で47万部が刷り上がる。

それからは電気やガスが切れた状態で自社で発行する日々を活写し、胸を引き裂くような記事が挟まれる。途中何度も「全国紙とは違って」という表現がある。東北を代表するブロック紙とはいえ、社員わずか560人で朝日や読売のの約1/10だ。だから広告部員もおにぎり班に加わる。前に映画『クライマーズ・ハイ』を見た時も思ったが、若い記者が編集局長や社長と直に話せる地方紙は、何とも風通しがいいと思った。

原発を科学史の観点から簡潔にまとめた『福島の原発事故をめぐって』については、後日書く。

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コメント

2:46→14:46
3:00→15:00
ですね。
他の時刻が24時間表記されているのに・・・という点がどうしても気になって。
つまらない指摘で済みません。

VPFに関する危機感に関する名文に感銘を受け、こちらも読ませていただきました。
応援します。

投稿: | 2012年1月10日 (火) 13時07分

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