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2012年1月 8日 (日)

イタリアの国内ヒット作は日本で受けるか

今年最初に試写で見たのは、2月公開のイタリア映画『昼下がり、ローマの恋』。先日劇場で見た、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』に続いて、わかりやすい一般向けの映画だ。しかしハリウッド映画は世界の誰でもわかることを目指しているが、こちらはイタリア国内向けヒット作だ。

もともと「恋愛マニュアル」(日本では『イタリア的、恋愛マニュアル』)というヒット作があり、そのシリーズの3作目で、原題は「恋愛マニュアル3」。監督は脚本家としても活躍するジョヴァンニ・ヴェロネージで、有名な俳優を並べて、若者、中年、老年の愛を3つのエピソードで語るというパターンは同じだ。

3作目も最初の物語にはリッカルド・スカマルチョというイタリアの人気男優を使い(日本だと妻夫木聡か?)、2話では中年男のコメディといえばこの人というカルロ・ヴェルドーネ(日本だと西田敏行?)が出てくる。問題は日本で彼らが全く無名であることだ。3話は、なんとハリウッドのロバート・デニーロにイタリア女優で現在最も海外で知られているモニカ・ベルッチを組みわせる。ついでにテレビの刑事ものでイタリアでは知らない人はいないミケーレ・プラチドまで使う(こちらは日本で無名)。

イタリア人が見たら、あるいは見る前から満腹感が出そうなキャスティングだ。話はどれも人生訓めいていてゆるい。それでもスカマルチョの誠実さや田舎の人びとの純朴さには惹かれるし、ヴェルドーネは出てくるだけで本当におかしい。ついでに美しいローマの遺跡や夕焼けの海岸などが、流れるような音楽とわかりやすい少年キューピッドのナレーションで語られると、何となく引き込まれる。

見終わってから、とんでもない男性中心のマッチョな映画だったことに気がついた。3話の主人公の男性は、弁護士、ニュースキャスター、元アメリカの大学教授で定年後のローマ暮らしという勝ち組ばかり。彼らが恋に落ちるのは、美人だが不幸せな結婚をして田舎で暮らす女、ローマの精神病患者、親にはパリでサン・ローランに勤めていると言いながら、ストリッパーをしている女。すべて美女だが「イタイ」。恵まれない女に愛の手を、というのが今風イタリアのマッチョなのだろうか。

イケメンも美女もたくさん出てくるし、話は見ていて飽きない作りだが、果たして日本でヒットするだろうか。『あしたのパスタはアルデンテ』をヒットさせたシネスイッチでやるというから、当たるかもしれない。このゆるさは日本のテレビ局映画にも通じる部分があるし、なごみ系のタッチは今の日本にいいかもしれない。

最後に一つ。ミケーレ・プラチド演じる男の名が「オーグスト」と字幕で出るが、これは「アウグスト」でしょう。音を聞けばわかる。

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