今年最初の映画
今年最初に見たのは、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』。アメリカのメジャー作品は試写の案内が来ないので(最近はそれ以外も少しずつ減っている気がするが)、有楽町の日劇に見に行った。昨日は既にほとんどの会社が始まっているはずだが、15:25の回にそれなりに客が入っていたので驚いた。
このシリーズはもともとテレビの「スパイ大作戦」の時から、視覚・聴覚的に楽しませることだけを目的に作られているが、今回久しぶり劇場で見て、それを痛感した。トム・クルーズ演じる主人公がなぜ任務を引き受けるのか、どうしてこのメンバーが集まったのか、そうした動機がほとんど示されない。
そして彼らには、愛や欲望などの通常のドラマを引っ張る心理の描写がない。ひたすら相手を追い、追い詰められながら、任務を遂行する。その過程がコンピューターを駆使した権謀術策や、超人的なアクションで息もつかさず描かれる。舞台はモスクワ、ドバイからムンバイ。いかにも現代の成金が集う怪しげな場所ばかりだ。個人的にモスクワやドバイは懐かしかった。ドバイの超高層のブルジュ・ホテルの窓の外を、トム・クルーズが這い上がるシーンは見ていて足が震えた。
見ながら、これはヒッチコックなどのかつてのスパイ映画の換骨奪胎だと思った。マカロニ・ウエスタンが西部劇から西部開拓精神を取り払って、細部のアクションをスローモーションを駆使して朗々と歌い上げたように、このシリーズはスパイ映画の持つ本質的な怖さを排除して、細工とアクションを組織化して、最後の瞬間まで飽きさせることなく見せる。ある意味のマニエリズムだ。
トム・クルーズの走る姿が相変わらず素晴らしい。両手を頭の上まで振り上げながら、真面目な表情を変えずに走るのは、まるでバスター・キートンみたいで可愛らしい。
もちろん、テレビの「スパイ大作戦」から続くテーマ音楽は、小学生の時から聞いているので、流れてくるだけで嬉しくなった。中年おやじの正月にふさわしい一本。
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