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2012年2月

2012年2月29日 (水)

地味なコレクション展三つ

かつて長い間美術展に関わる仕事をしていたので、時間が少し開くと美術館に行く癖が身についてしまった。試写の間とか、宴会の前とか、思いつくとどこでも入る。映画と違って、おもしろくないと思ったら、10分そこそこで出てこられるのもいい。

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2012年2月28日 (火)

仏映画『アーティスト』アカデミー賞の秘密

昨日のアカデミー賞発表で一番驚いたのは、『アーティスト』の躍進ぶりだ。『ヒューゴの不思議な発明』と同じ5部門受賞とはいえ、作品賞や監督賞を取ったのだから圧勝と言えよう。フランス映画なのになぜ、と思っていたら、先週の仏誌『ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』にその秘密が書かれていた。

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2012年2月27日 (月)

それでも車谷長吉はおもしろい

数か月前に車谷長吉の小説を初めて読んでから、時々無性に彼の小説が読みたくなる。あえて底辺で生きる人生を関西弁で綴る文章が懐かしくなってくるのだ。そういうわけで、今度は文庫の『飆風』(ひょうふう)を読んだ。

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2012年2月26日 (日)

ソクーロフのバロック

アレクサンドル・ソクーロフの映画にはだいぶ異なるいくつかのパターンがある。『チェチェンへ アレクサンドラの旅』のような、ドキュメンタリー・タッチの作品、『静かなる一頁』や『太陽』のようなミニマリズム、そして5月公開の新作『ファウスト』のようなバロックな方向だ。

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2012年2月25日 (土)

実はおもしろい「文化庁メディア芸術祭」

騙されたと思って見て欲しい。六本木の国立新美術館で3月4日まで開催中の「文化庁メディア芸術祭」のことだ。入場無料。このタイトルからして何だか「親方日の丸クールジャパン」みたいで避けているあなたは、間違っている。

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2012年2月24日 (金)

同世代のライターが亡くなった

一昨日、同世代の知り合いのライターが亡くなった。知り合いといっても、雑誌編集者だった奥さん経由で何度か会っただけだが、気になる人だった。その死に方を聞いて、彼らしいと思った。

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2012年2月23日 (木)

元ロック歌手のショーン・ペン

パオロ・ソレンティーノという監督は、東京の「イタリア映画祭」ではこれまで『愛の果てへの旅』に始まって、『家族の友人』、そしてカンヌで審査員賞を取った『イル・ディーヴォ』が上映されてきたが、映画館での公開はなかった。6月に初めて劇場公開されるのが、『きっとここが帰る場所』だ。

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2012年2月22日 (水)

ミニマリズムと引用と

4月28日公開のアキ・カウリスマキの新作『ル・アーヴルの靴みがき』を見て、打ちのめされた。たいした物語はなく、役者たちは演技らしい演技をしないのに、なぜか情感が溢れてくる。シーンの一つ一つに、いろいろなものを思い出しているうちに、映画は唐突に終わってしまう。

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2012年2月21日 (火)

どこでもいる「名もなき毒」を持つ人々

田中慎弥の『共喰い』で文学的すぎる小説を読んだ後に、軽いものをと思って買ったのが、宮部みゆきの『名もなき毒』。読みながら「ああ、こんな人、いるいる」と思って気楽に読み進めると、その毒は意外に強かった。

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2012年2月20日 (月)

「新聞の映画評」評:『はやぶさ』と『ドラゴン・タトゥーの女』

この週末は東映版『はやぶさ 遥かなる帰還』と『ドラゴン・タトゥーの女』を映画館で見た。ともに見ごたえのある映画だったが、『はやぶさ』が抑制の効いた古い人間ドラマだったのに比べて、『ドラゴン・タトゥーの女』は畳みかけるようなリズムの今風の映像で、対照的だった。

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2012年2月19日 (日)

何とも怪しいフェルメール展

銀座で1時間ほど時間が空いたので、前から気になっていた「フェルメール・センター銀座」で「フェルメール 光の王国」展を見た。新聞や雑誌で福岡伸一氏監修として何度も取り上げられていた。フェルメールの全37点の精巧な複製を展示しているらしい。

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2012年2月18日 (土)

スコセッシのアップ&ダウン

来日中のマーティン・スコセッシ監督が映画を学ぶ大学生と語るというので、学生を連れて出かけていった。『ヒューゴの不思議な冒険』の上映後、スコセッシ監督は学生の質問に答えたが、その中でいくつかの心に残る表現があった。

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2012年2月17日 (金)

原弘のポスターから日本の映画ポスターへ

竹橋の東京国立近代美術館で「ジャクソン・ポロック展」を見たついでに、常設展会場で見たのが「原弘展」。2階の小さなコーナーだが、そこには天井までびっしりとポスターが並んでいた。

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2012年2月16日 (木)

岩波のコネ採用

少し前に、岩波書店が自社の著者または社員の紹介でないと採用試験を受けられないというシステムをHPに載せたことが、大きな話題になっていた。一見、平等でなく閉鎖的に見えるけれど、本当にこれは問題だろうか。

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2012年2月15日 (水)

ジャクソン・ポロックの戦慄

恵比寿映像祭で退屈な展示ばかり見たので、何かまともな美術を見たいと思って行ったのが、竹橋の東京国立近代美術館の「ジャクソン・ポロック展」。これが予想以上の大当たりだった。絵画に戦慄を覚えたのは、昨秋の「酒井抱一展」以来だ。

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2012年2月14日 (火)

あまりに文学的な田中慎弥

芥川賞を受賞した田中慎弥の『共喰い』を読んだ。芥川賞を「もらって当然」とか、「都知事閣下のためにもらっといてやる」とか記者会見で言って、物議を醸した人だ。そのキャラのおもしろさで本が売れているらしい。

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2012年2月13日 (月)

やはり韓国映画はおもしろい

今の韓国映画は、見て損したと思うものはあまりないような気がする。もちろん始まったばかりの『ポエトリー』のような、脚本のしっかりしたアート系の映画はもちろんすばらしいが、そうでない娯楽作品も、ちゃんと最後まで見せてくれる。3月17日公開の『青い塩』もそんな1本。

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2012年2月12日 (日)

やはりおもしろくない「恵比寿映像祭」

今年で3回目になる東京都写真美術館の「恵比寿映像祭」を見に行った。これまでの2回もそうだったが、やはりおもしろくない。一般に私を含めて映画好きは、現代美術の映像作品に対して冷淡だが、それを差し引いても見るべき作品が少ないような気がする。

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2012年2月11日 (土)

子供から大人まで楽しめる今年のアカデミー賞

私が大学生の頃、アカデミー賞は『愛と追憶の日々』や『愛と哀しみの果て』のような、感動の押し売りのような映画ばかり受賞していたので、全く信用していなかった。ところが最近は『ノーカントリー』とか『ハートロッカー』のようなずいぶん尖った映画が受賞するようになってきた。ところが、今年はずいぶんわかりやすい作品が並んでいる。

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2012年2月10日 (金)

昭和天皇の戦争責任

サントリー学芸賞というのはいつも気になる。これまでもおもしろい著者にいち早く賞を出してきたからだ。学問的な裏付けがありながら、一般にわかりやすく新しい視点を打ち出したような本が多い。というわけで今年受賞の古川隆久著『昭和天皇』を読んだ。

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2012年2月 9日 (木)

大学教師の2月

昔、著名な東大教授から「2月は入試なんかで大学の教師にとって最悪の月なんですよ」と言われたことがあった。当時はホントかなあと思っていたが、私も大学に勤めて「2月」は3回目なので、だんだんその意味がわかってきた。

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2012年2月 8日 (水)

『別離』の巧みさに舌を巻くも

4月公開のイラン映画『別離』(アスガー・ファルハディ監督)の巧みさには舌を巻いた。ちょうど一年前のベルリン国際映画祭で、金熊賞と銀熊賞(男優賞、女優賞)を独占し、アカデミー賞でも外国語映画賞のみならず、ペルシャ語作品ながら脚本賞にもノミネートされているだけのことはある。

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2012年2月 7日 (火)

上野千鶴子と1968

「映画祭1968」で講演したゲストの中で、上野千鶴子氏の話がとりわけおもしろかった。忘れないうちに書き残しておく。生まれた年を考えれば全共闘世代のはずだが、彼女はこれまでの本ではそのことを語っていないと思う。

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2012年2月 6日 (月)

「新聞の映画評」評:『J・エドガー』

クリント・イーストウッド監督の新作『J・エドガー』を劇場で見た。正直に言うと、少しがっかりした。イーストウッドでなければ十分満足なのだが、彼の場合は期待値が高いだけに、見方も厳しくなる。さて帰って新聞各紙を見ていると、大絶賛が並んでいて驚いた。

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2012年2月 5日 (日)

さらば、外国人特派員協会

今朝の朝日新聞別刷「グローブ」を読んでいて、終わりの方の「外国人特派員協会の苦悩」という記事が気になった。会員数が激減しているうえに、トップの経費使い込みなどで経営が厳しくなっているという内容だ。有楽町の電気ビルにあるこの協会には、何十回も行った。

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2012年2月 4日 (土)

革命の映画の系譜:ドキュメンタリー

「映画祭1968」では12本の映画が上映されたが、何といっても同時代のドキュメンタリーが一番おもしろかった。初めて見た『日大闘争』『続日大闘争』及び『死者よ来りて我が退路を断て』、四半世紀ぶりに見た『圧殺の森』と『パルチザン前史』。

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2012年2月 3日 (金)

『リトル・ピープルの時代』と言われても

宇野常寛著『リトル・ピープルの時代』を読んだ。前にこのブログで書いた池澤夏樹氏が「君たちは頭がいいなあ」として挙げた2冊のうち、読んでいない一冊だったからだ(もう一冊は古市 憲寿著『絶望の国の幸福な若者たち』でこれについては既に書いた)。

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2012年2月 2日 (木)

壊れゆくマンション

先日、夜中の12時にトイレの水が溢れて、大変なことになった。酔って帰ったばかりだったが、事態が収束する頃には、完全に酔いが醒めてしまった。考えてみたら、現在のマンションは新築の時から住んで、もう15年にもなる。

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2012年2月 1日 (水)

革命の映画の系譜

ゴールデン・ウィークに公開される豊田利晃監督の『モンスターズクラブ』を見て、これも「革命の映画」かと思った。そんなことを考えたのは、自分の大学のゼミ生主催の「映画祭1968」(@オーディトリウム渋谷)で、ここ数日「革命の映画」を見続けていたからだ。

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