« 仏映画『アーティスト』アカデミー賞の秘密 | トップページ | 今度のウディ・アレンは? »

2012年2月29日 (水)

地味なコレクション展三つ

かつて長い間美術展に関わる仕事をしていたので、時間が少し開くと美術館に行く癖が身についてしまった。試写の間とか、宴会の前とか、思いつくとどこでも入る。映画と違って、おもしろくないと思ったら、10分そこそこで出てこられるのもいい。

最近見たのは、国内のほかの美術館のコレクションを丸ごと借りてきた、地味な展覧会3本。まずは3月4日まで開催の、三菱一号館美術館「ルドンとその周辺 夢見る世紀末」展。これは副題に「三菱一号館美術館ルドン《グラン・ブーケ》収蔵記念」とあるが、新しく買ったその作品以外は、岐阜県立美術館の所蔵品だ。

最初はエッチングやデッサンが並ぶので、油絵はないのかと思ったが、真ん中くらいで出てくる。チラシに使っている《神秘的な対話》など数点は心に残るが、全体の印象は薄い。後半にギュスタヴ・モローやゴーギャン、モーリス・ドニといった世紀末画家の小品が出てくるのも、地味な感じを強める。この美術館が買った《グラン・ブーケ》もずいぶん大げさに展示してある割には、あまり残らない。

六本木のサントリー美術館で4月1日まで開催の「悠久の光彩 東洋陶磁の美」展は、大阪市立東洋陶磁美術館のコレクション。こちらは地味どころではなくて、国宝2件、重要文化財13件を含む中国、韓国の名品がごっそりと出ている。陶磁器に関してはこちらの知識がほとんどないので、さっと流すように見てしまったが、この分野は中国や韓国が本家なのだというのは、素人にもよくわかる。特に中国の青磁や白磁には本当に「永遠」を感じてしまった。

もう一つは、もう終わったけれど、ギンザ・グラフィック・ギャラリーの「田中一光ポスター 1980-2002」展。こちらは美術館のコレクションではなくて、このギャラリーを運営する大日本印刷の所蔵だが、狭い会場に150点のポスターがぎっしり並んでいる。1950年代から活躍した田中一光が有名になってからの仕事なので、全体に安定感があり、するすると見ることができる。大きさも同じなので、さらっと流すように見てしまい、あまり印象に残らなかった。

田中一光の没後10周年というが、本人のコレクションがそのまま大日本印刷に寄贈されて、「田中一光アーカイヴ」となって本当に良かったと思う。

|

« 仏映画『アーティスト』アカデミー賞の秘密 | トップページ | 今度のウディ・アレンは? »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/54103509

この記事へのトラックバック一覧です: 地味なコレクション展三つ:

« 仏映画『アーティスト』アカデミー賞の秘密 | トップページ | 今度のウディ・アレンは? »