「新聞の映画評」評:『はやぶさ』と『ドラゴン・タトゥーの女』
この週末は東映版『はやぶさ 遥かなる帰還』と『ドラゴン・タトゥーの女』を映画館で見た。ともに見ごたえのある映画だったが、『はやぶさ』が抑制の効いた古い人間ドラマだったのに比べて、『ドラゴン・タトゥーの女』は畳みかけるようなリズムの今風の映像で、対照的だった。
娯楽作品は新聞評が分かれることが多い。ましてや先週あたりからは『ポエトリー』『メランコリア』『ニーチェの馬』『汽車はふたたび故郷へ』『キツツキと雨』『ものすごくうるさくてありえないほど近い』などアート系が並んでいる。案の定、その扱いはいろいろだ。
『ドラゴン・タトゥーの女』は日経では一番の扱いで、渡辺祥子氏が絶賛の評。読売は2番目、毎日は3番目の扱いだが、それぞれ高く評価している。しかし朝日には監督インタビューはあったが、映画評がない。「独特な映像感覚で現代の空気を切り取ってきたデビッド・フィンチャー監督」(©渡辺祥子)の新作には、映画評が欲しい。
この作品の現代性に比べたら、保守的な演出の『はやぶさ』が載りにくいのはわかる。それでも読売も毎日も2番目の扱い。読売は人間ドラマを評価し、毎日は「はやぶさ」が多すぎることも含めて留保付き。日系と朝日はミニ紹介のみ。
考えてみたら、『はやぶさ』の製作委員会に朝日は参加している。映画の中に出てくる新聞は朝日だし、築地の本社も出てくる。載せてもいいレベルの作品だと思うが、それでもこの扱いは、単に社内連絡が悪いのか、あるいは朝日得意の「反権力」(?)か。『ドラゴン・タトゥーの女』も『はやぶさ』もきちんと映画評を載せずに、『マシンガン・プリーチャー』などの珍品を大きく扱う「独自路線」は朝日らしいとも言えるが。
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