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2012年3月

2012年3月31日 (土)

わずか150年前の日本

時間が空いたので、恵比寿の東京都写真美術館で展覧会を2つ見た。「フェリーチェ・ベアーとの東洋」展と「幻のモダニスト 堀野正雄」展。ともに5月6日まで開催しているが、2つを続けて見るとおもしろい。

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2012年3月30日 (金)

ずしりと重いカサヴェテス

5月26日から始まる「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」のうち、『こわれゆく女』復元ニュープリント版の試写を見た。映画を見終わって、立ち上がれないほどずしりと重いものを感じたのは久しぶりのこと。もちろんカサヴェテスなんだから、それはわかっていたけれど。

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2012年3月29日 (木)

気の滅入る本2冊

気の滅入る本を2冊続けて読んだ。菅原出著『民間軍事会社の内幕』と佐藤あつ子著『昭 田中角栄と生きた女』。気が滅入る理由は全く別だ。

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2012年3月28日 (水)

秘密のない『エル・ブリの秘密』と日本のスペイン・バル

10年ほど前から「スペイン・バル」と称する店が日本中で流行っている。「エル・ブリ」というバルセロナ郊外の料理店が、革命的な料理で有名になったことと関係あるのかわからないが、どうも気になって映画館に見に行ったのが、『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』。

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2012年3月27日 (火)

イ・ブルのようなものとワン・ピース

森田芳光監督の最初の劇場用映画は『の・ようなもの』という題名だったが、久しぶりにこの言葉を思い出した。六本木の森美術館で開催中の「イ・ブル展」を見ながらのことだ。この韓国の女性作家は、15年ほど前に小さな個展を見た記憶がある。

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2012年3月26日 (月)

ティルダ・スウィントンの映画『少年は残酷な弓を射る』

ティルダ・スウィントンという女優は、昔デレク・ジャーマンの映画で出てきた時から、エキセントリックだった。ボーイッシュで性を超えたような存在でありながら、時おり見せるエロテッィクな感じが好きだ。最近では製作にも関わり、『ミラノ、愛に生きる』などはまさに彼女のための映画だった。

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2012年3月25日 (日)

『影の部分』の影の部分

秦早穗子著『影の部分』(リトルモア刊)を読んだ。何とも言葉にし難い複雑な思いに浸りながら、読み終えるとすがすがしい気分になった。「複雑な」という意味はいろいろだ。

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2012年3月24日 (土)

2日連続のステラン・スカルスガルド

スェーデン出身で、いつも存在感のある名脇役を演じるのが、ステラン・スカルスガルドだ。ラース・フォン・トリヤーの常連だし、『ドラゴン・タトゥーの女』にも出ていた。最近も2日連続して彼の出演作を見た。4月28日公開の『孤島の王』と、上映が終わりつつあるトリヤーの『メランコリア』。

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2012年3月23日 (金)

18世紀ファッションに思いを馳せる

全く知らない世界に触れてみたいと思っていたら、ある友人がミシェル・サポリ著『ローズ・ベルタン』を薦めてくれた。副題に「マリー=アントワネットのモード大臣」と書かれている。昔、マリー=アントワネットをめぐる展覧会に関わったことを思い出しながら楽しく読んだ。

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2012年3月22日 (木)

ケン・ローチの新境地

ケン・ローチの映画に、はずれはない。長編第一作の『夜空に星のあるように』(67)の時から、労働者の悲惨な毎日を描きながらも、見ごたえがある作品を作り続けてきた。『この自由な世界で』(07)や『エリックを探して』(09)でだいぶ世界が変わってきたと思っていたが、3月31日公開の新作『ルート・アイリッシュ』(10)には驚いた。

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2012年3月21日 (水)

大学の9月入学と公務員採用4割減

大学で教えていると、世間のニュースが違う観点から見えることがある。最近東大が言い出した9月入学と、野田内閣が決めた公務員新卒採用4割減のニュースがそうだ。どちらも愚の骨頂だと思う。

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2012年3月20日 (火)

拉致映画2本

「拉致映画」というと大げさだが、国家が関与した移住をめぐるショッキングな映画を2本見た。1本は4月14日公開のイギリス映画『オレンジと太陽』、もう1本は8月公開の日本映画『かぞくのくに』。対照的な2本だ。

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2012年3月19日 (月)

フランス女性監督特集3本

最近、飯田橋の日仏学院に行く回数が減った。かつて忙しかった時は、敢えて誰も見ないマニアックな映画を見たかったが、大学で教えるようになって、普通の映画を映画館で見ることが増えたからだ。先日「フランス女性監督特集」があったので、久しぶりに3本見た。

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2012年3月18日 (日)

『空中庭園』のリアルさ

先日、角田光代の『森に眠る魚』を読んで、お受験に全力を傾ける母親たちの姿に唖然としたが、今度は彼女の『空中庭園』を読んで、その家族像に妙なリアルを感じた。自分の日常とは全く異なるけれど、どこにもありそうな感じというか。

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2012年3月17日 (土)

西さんが亡くなっていた

1980年代から90年代にかけてフィルムセンターに足しげく通っていた頃、常連の客のなかに、「西さん」と呼ばれる耳の大きなおじいさんがいた。この頃にシネフィル黄金時代を過ごした人なら思い当たるだろう。彼が1999年に亡くなっていたことを知ったのは、先日の田中真澄さんを偲ぶ会に出た時だ。

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2012年3月16日 (金)

暗澹たる『ムサン日記~白い犬』のおもしろさ

「暗澹たる」という形容詞がピッタリの映画だ。冒頭に映し出される、殺伐としたマンションの工事現場。狭い部屋での、友人の女性との性交とその女性の排尿。日本のフリーターとは比較にならないくらい、暗い。

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2012年3月15日 (木)

地に足のついた現代美術:野田裕示展

松井冬子の華麗なパフォーマンスのような展覧会についてWEBRONZAで書くことになり、丸1日画集を眺めていたら、もっと普通の現代美術を見たくなった。そこで足を運んだのが、国立新美術館で開催中の「野田裕示 絵画のかたち/絵画の姿」展。

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2012年3月14日 (水)

この冬、まだふぐを食べていない人へ

かれこれ15年くらい住んでいるが、神楽坂は奥が深い。ミシュランガイドに載るような「石かわ」や「小室」、「山さき」のような店もあるが、それらは値段が高すぎたり、予約が大変だったりする。ところがミシュランを含めてあまりガイドに登場しない店でも、名店は星の数ほどある。「宮した」はその一つ。

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2012年3月13日 (火)

『メルトダウン 福島第一原発事故』の資料的価値

一昨日の「朝日」書評欄で科学者の福岡伸一が絶賛していた本だ。「あのとき一体、為されるべきことの何がなされなかったかを知るための一級資料として、本書は今後長い期間にわたって参照されつづけることは間違いない」。

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2012年3月12日 (月)

「わからない映画」考:『裏切りのサーカス』

「わからない」映画には、いくつかの種類がある。4月21日に公開される『裏切りのサーカス』は、オーソドックスなわからない映画で、英国の諜報機関がソ連との二重スパイを探すという設定だ。当然、スパイが誰かわからないまま物語が進行する。

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2012年3月11日 (日)

田中真澄さんが亡くなった

映画史家(と書くと本人は嫌がるだろう)の田中真澄さんが昨年末に亡くなられて、昨日「偲ぶ会」があった。「小津安二郎全日記」など画期的な本を残した人だ。私は田中さんと特に親しいわけではなかったが、仕事の上でお世話になったので出席した。

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2012年3月10日 (土)

松井冬子展を横浜に見に行く

行くかどうか迷っていたが、思い切って横浜美術館に「松井冬子展」を見に行った。「アエラ」の表紙になった和服の写真がまるで着物のモデルのようにバチッと決まっていたので、行く気が失せていたが、大学の図書館でカタログを見て行きたくなった。

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2012年3月 9日 (金)

「暴力団」の基礎知識

幸か不幸か、知り合いに暴力団とかヤクザはいないので、もっぱらその姿はテレビや映画でばかり見てきた。島田伸介が山口組との交際を理由に芸能界を引退したというニュースを聞いても、本当のところはわからなかった。溝口敦著『暴力団』には、その現状が噛み砕くように書かれている。

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2012年3月 8日 (木)

この春はアート系映画が百花繚乱

新学期に学生に配る「見るべき新作リスト」を作ろうと調べていたら、この春にとんでもない数のアート系監督の映画が集中していることがわかった。上映中の作品でも、まずタル・ベーラの『ニーチェの馬』(イメージフォーラム)とイオセリアーニの『汽車は再び故郷へ』(岩波ホール)、ラース・フォン・トリヤーの『メランコリア』(新宿武蔵野館)がある。

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2012年3月 7日 (水)

女に逃げられるという天才的才能

昨秋に出た四方田犬彦著『ゴダールと女たち』を読んだ。帯に書いてあった「女に逃げられるという天才的才能」という言葉に惹かれたからだ。本を開けると、最初のページにこの言葉が大島渚のものだと書かれている。

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2012年3月 6日 (火)

アート・ドキュメンタリーの難しさ

3月31日に劇場公開される『はじまりの記憶 杉本博司』を見た。現代美術作家の杉本博司をめぐるドキュメンタリーで、テレビマンユニオンが制作してWOWOWで放映したものに撮り足して、劇場用に仕上げたという。おもしろかったが、同時にアート・ドキュメンタリーの難しさを感じた。

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2012年3月 5日 (月)

『ヒューゴの不思議な発明』のパンフ問題

マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』は、アカデミー賞を5部門受賞し、無事先日公開されて入りもいいと聞く。今まで書かなかったが、その劇場パンフをめぐって個人的に大変な目にあったので、一応顛末を書いておく。

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2012年3月 4日 (日)

この30年の「ニッポンの思想」

2009年に出た本だが、佐々木敦著『ニッポンの思想』を読んだ。1980年代から「ゼロ年代」までの日本の思想や評論の流れについてわかりやすく説明した本で、ためになると同時に、懐かしくもあった。大学生の時の浅田彰の登場を、鮮烈な思い出として記憶している自分にとっては。

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2012年3月 3日 (土)

三蔵さんが亡くなった

朝日新聞の美術記者の田中三蔵さんが27日に亡くなった。実はその2日後に病院にお見舞いに行こうと計画していたが、果たせないままになってしまった。最後に会ったのは、昨年11月に千葉市立美術館の「酒井抱一展」の最終日。

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2012年3月 2日 (金)

トルコのパスタ

トルコのパスタを食べた。トルコに行ったわけでも、トルコ料理店で食べたわけでもない。正確に言うと、トルコ製のリガトーニ(穴の開いた太いマカロニ)が安かったので買ったら、実においしかった。近所にできたばかりのディスカウントショップで、大きな袋が98円。

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2012年3月 1日 (木)

今度のウディ・アレンは?

ウディ・アレンは別格だ。1960年代半ばからほぼ毎年監督(多くは主演も)作品を作り、そのほとんどが日本で公開されている。そしてこれが一番大事なことだが、はずれが少ない。こんな監督はクリント・イーストウッドくらいか。5月26日に公開される新作『ミッドナイト・イン・パリ』が、アカデミー賞で脚本賞を取ったと聞いて見に行った。

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