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2012年3月10日 (土)

松井冬子展を横浜に見に行く

行くかどうか迷っていたが、思い切って横浜美術館に「松井冬子展」を見に行った。「アエラ」の表紙になった和服の写真がまるで着物のモデルのようにバチッと決まっていたので、行く気が失せていたが、大学の図書館でカタログを見て行きたくなった。

松井冬子は38歳。横浜美術館の大きな企画展示室で個展をやるのも例外的だが、それ以上にここ最近のマスコミへの露出はすごい。朝日新聞の文化欄のインタビューでも、バッチリとメイクを決めた姿が「ドーダ」という感じで大きく載っていた。いかにも美人を利用しているようで、偏見を持ってしまう。

美術館に入ると、正面に彼女の特大の白黒映像が写っている。おどろおどろしい髪が顔にまとわりついたり、動物が現れたり、奇妙な液体が写ったり。最後にROLEXのロゴ。まるでブランドの広告映像のように洗練されていたが、それを最初に見たせいで、さらに偏見が増してしまった。

作品はおもしろい。一言で言うと、「美女の幻想や内臓を描く」という感じで、物語性とフェミニズムの強い絵画だ。日本画の伝統を押さえながら、グロテスクやエロチックな表現に現代風のかわいらしさを加える。西洋の中世絵画のようでもある。展覧会の副題は「世界中の子と友達になれる」だが、これは松井の卒業制作及び修士修了制作の絵画の題名だ。ほかの作品も「優しくされているという証拠をなるべく長期間にわたって要求する」とか「切断された長期の実験」とか、思い切り物語性に富む。

会場は高校生から中年まで、女性ばかりで、実に真剣に見ている。とりわけ高校生や大学生が、まるで自分に切実な問題のように見ているのに驚いた。今の女性に強く訴える何かがあるのだろう。

私としては、どうしても頭でっかちで作戦で描いたような作品に見えて、いま一つ乗れなかった。もちろんその見方には、いくつもの偏見が作用したのも事実だが。18日まで。

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