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2012年4月 1日 (日)

起源としての「グランド・ホテル」

映画には「グランド・ホテル形式」という言い方がある。同じ空間の同じ時間に集う異なる背景の人々の人間模様を描く、といったスタイルの映画だ。別にホテルでなくても、船でも列車でもいいのだが、それらの元になった映画『グランド・ホテル』(1932年)を500円のDVDで見た。

たぶん25年以上前に16㎜で見て以来だが、なかなかおもしろい。ベルリンのグランド・ホテルに集う、実業家とそのタイピスト、「男爵」と名乗る泥棒、病気の貧乏会社員、医者、わがままなバレリーナといった人々の織り成す人間模様だが、核になるのは金のことしか考えない実業家と、なぜかみんなに好かれてしまう「男爵」だ。

この2人が「金」と「心」を示すわかりやすい図式だが、グレタ・ガルボ演じるバレリーナとジョーン・クロフォード演じるタイピストの二人の美女が、偽男爵(ジョン・バリモア)の怪しい魅力に惹かれてしまうというのがいい。最後は企業家が男爵を殺してしまい、貧乏会社員(ライオネル・バリモア)がギャンブルで儲けてタイピストを連れてパリに行くという解決が用意されている。さらに何も知らないバレリーナは、男爵とベルリンで落ち合うつもりで馬車に乗るというダメ押しも。全員にきちんとオチを付けている。

映画の最後で、貧乏会社員はタイピストに言う。「パリでもグランド・ホテルに泊まろう。どこにもグランド・ホテルはあるんだ」。ひょっとしてこの映画をきっかけに「グランド・ホテル」という名のホテルが世界に広がったということはないだろうか。アカデミー賞最優秀作品賞も取っているし。

日本では、地方にいくつかグランド・ホテルがある。かつて福岡で一番格式の高いホテルは「西鉄グランドホテル」だった。今では日航ホテルや外資系まであるので落ちぶれているが。泊まったホテルで言うと、「札幌グランドホテル」「山形グランドホテル」や「高松グランドホテル」もそういう風格があった。外国でもフィレンツェのグランド・ホテルはずいぶん格式が高い感じだった。

本当にこの映画が起源かどうか、気になるところだ。

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