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2012年4月16日 (月)

ごますりは組織を滅ぼす

今回の北朝鮮のミサイル騒動で、個人的に一番おもしろかったのは、国家元首としての金正恩の映像がふんだんに見られたことだった。昨日は演説までしてしまったが、その落ち着きのなさといったら、父親の急逝後に突然家業を継ぐ若者という、よく日本で見る風景だった。

絶えず周囲を気にしながら、時おり無理に偉そうに胸を張る。こんな映像を流したら、その底の浅さがバレるのに、と余計な心配までしたくなった。

それよりも興味深かったのは、周りの側近たちのごますり具合だった。60代や70代の大臣クラスが、29歳の若者に対して「殿、ご立派でございます」とでも言いたそうな作り笑いを競って浮かべている。こんなものは今どき映画の時代劇か、NHKの大河ドラマくらいでしか見られないものだ。そんなコメディが、実際の映像として流れてしまうところに、この国の病の重さが感じられる。

先進国ではこういう映像は流れないが、実際に「殿とゴマスリ」という現象がないかというと、役所でも会社でもどこにでもある。若い大臣がやってきた省庁はみんなそうだ。次官や審議官などが、毎日「大臣、ごもっともでございます」とやっているだろう。今の大阪市なんてもっとひどいと思う。

私が前に勤めていた新聞社でも、その前にいた役所でも、ゴマスリが大勢いた。そうしてゴマをする奴ほど偉くなる。新聞社でも、役所でも、経営なんてないに等しく、努力しなくても広告や販売の収入があがったり、国から補助金が来たりする構造が長年続いたからだろう。

カジノで大金をすった大王製紙の井川元会長などは、ジュニアを側近が甘やかした典型的な例だろう。そこまでではないにしても、そんな場面を私が実際に見たのは、東宝の松岡ジュニア、東映の岡田ジュニア、大日本印刷の北島ジュニアくらいだろうか。なかなかの風景だった。

考えてみたら、会社員時代、自分でも知らず知らずのうちにゴマをすっていることがよくあった。実はゴマをすられるのも、するのも快感なのだ。しかしそれを自制しないと、ゴマスリ根性は組織を蝕み、滅ぼす。国家レベルのゴマスリ大会を世界に誇示した北朝鮮の終わりは近い。

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