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2012年4月13日 (金)

大使館は必要か

先日、久しぶりに東京にある某国大使館の昼食会に出かけて行った。かつて新聞社でイベント屋をやっていた頃には、毎月のようにこうした昼食会、夕食会、パーティーなどで各国の大使館に行っていたが、今はほぼなくなった。今回は知り合いの映画プロデューサーが来日したので、声がかかった。

大使館には5分ほど早く着いたら、いたのはそのプロデューサーだけだった。話していると時間きっかりに大使が現れたが、私には最初に挨拶したきりで、プロデューサーと2人で話し始めた。大使には3年ほど前に会っていたはずだが。

5分くらい遅れて、ほかの日本人招待客3名と共に、一等書記官と文化担当官が現れた。普通なら彼らは30分ほど前から来客を待っているべきだろう。

広いサロンでシャンパンが配られ、話していると、「さあ、テーブルへ」と席につく。そこには何と既に赤ワインと水をついだグラスが置いてあった。大使の乾杯と共に食事が始まったが、パンにチーズを乗せてオーブンにいれただけの意味不明の前菜に始まって、食事はメインの牛ヒレを除くとかなり低レベルだった。そして赤ワインはディスカウントで千円程度の安ワインで、飲み干してもなかなか継ぎ足しに来ない。

ひどかったのは食事よりも会話だ。大使はそのプロデューサーの映画を全く見ていない。というより、フィルモグラフィーさえ調べていない。最近日本で公開された映画もあるのに。「映画は最もグローバルな芸術だ」とか意味のないことを言い続けた。招待した日本人客についても、何も調べていなかった。そしてようやく会話が盛り上がってくると、まだコーヒーを飲んでいたのに、2時きっかりに「それではみなさん今日は来てくれてありがとう」と追い出しにかかった。

その大使は映画に関心がなく、単に仕事だからこなしただけだろう。料理にも関心のない人かもしれない。でもこういうことが、海外にある日本大使館も含めて世界中で行われているのかと想像したら、うんざりしてきた。大使館はかつて海外に行くことが特別だった時代に、各国政府を代表して意見を述べるために発達した。ところが海外に誰でも行ける時代になり、ネットの普及で外国と日常的に連絡できる時代になった時に、もはや大使館は機能を失っているのではないか。

いわゆる外交は、大使館をもはや必要としていない気がする。ビザを出したり、自国民を保護するための領事館で十分だろう。

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