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2012年5月29日 (火)

ユダヤ人は人種ではない

先日、駅の書店で買った山井教雄著『まんが パレスチナ問題』という新書を読んで、「ユダヤ人は人種ではない」ということを知った。ユダヤ人というのは宗教から見た見方だから、ユダヤ教を信じていれば、どんな人種でも、どこに住んでいてもユダヤ人だという。

つまり、黒人でもアジア人でもユダヤ人がいるということだ。恥ずかしいことにこんな基本的なことも知らなかった。私は、ユダヤ人というのは人種で、中国人のように世界中にいて、ユダヤ人同士で結婚するものと勘違いしていた。

この本は、中東やパレスチナをめぐる、そうした常識をまんがで丁寧に説明したものだ。ユダヤの少年ニッシムとパレスチナの少年アリ、そしてエルサレムの猫が、交互に語る形で、旧約聖書から現在までを解説している。中東やアフリカの問題は、日本から遠いせいもあって、なかなか理解できない。あるいは理解しようともしない。そんな日本人にぴったりの本だ。

例えば、イラクになぜ大量破壊兵器の開発能力があるかといえば、1980年に始まったイラン・イラク戦争で、アメリカがイラクを応援したからだという。イランの反米イスラム革命を止めるために、アメリカは武器でも最近でも何でも売った。そしてフセインは毒ガスまで使うようになった。

あるいはアフガニスタンは、共産主義政権から反ソ政権に変わろうとする時に、ソ連が介入した。アメリカは反ソ・ゲリラを支援して、戦闘訓練を施し、武器もどんどん与えた。そこから生まれたのがアルカイダで、ソ連を追い出すと、反アメリカ的な運動に転換したという。

ニッシムは言う。「一度あげちゃった武器は二度と回収できないし、ゲリラとして訓練されちゃった人は、その戦争が終わっても、普通の人には戻れない。多くのゲリラは次の戦争を求めて国境を超えるんだ」。横にはブッシュ(父)とミッテランがフセインに武器を売る場面と、その後にその武器でフセインに脅される場面からなる漫画が描かれている。

もちろん実際は漫画のように単純ではないだろうが、とりあえず私はこのレベルから学ぶ必要がある。

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