« 戦後史を語るあやうさ | トップページ | 『桐島、部活やめるってよ』の不穏さ »

2012年5月 8日 (火)

記念日に「エメ・ヴィベール」

今日は時差ぼけで寝坊して、書くのが遅れた。すでにGW前に行った店だが、半蔵門の「エメ・ヴィベール」について書いておきたい。ここはミシュラン2つ星の店だ。ミシュラン東京版がフランス版に比べて甘すぎることは多くの人が指摘したが、この店はフランス基準でも2つ星だと思う。

ミシュラン東京版は、フランス版のように雰囲気を含めたレストラン全体ではなく、「皿の上」のみを評価するとした。パリだと1つ星でも相当に格式が高い。いわゆる王様になったような扱いをしてくれる。ところが日本では、3つ星でもそのあたりはいい加減な店が多い。

そのうえ、日本ではミシュランで星を取った店は、ずいぶん強気な値段設定になった。私の知っている例では、神楽坂の「ル・マンジュトゥ」(2つ星)はかつて3000円台のコースがあったが、今は12000円のみ。料理はともかくあの内装でこの値段とは。同じ神楽坂の「石かわ」(3つ星)は、かつて6000円台のコースがあったが、今や15000円と19000円のみ。かつてはどちらもアラカルトがあったが、今はおまかせのみ。店にとって都合のいいおまかせのみで、この値段はないだろう。

その意味で10000円と15000円のコースにアラカルトも備えた「エメ・ヴィベール」は、まず良心的だ。そのうえに店構えやサービスが完璧。千代田区一番町の一軒家で、テーブルの間がすいぶん広い。私は雨の日に行ったが、門の前に傘を持った女性が立っていた。それから、アペリティフのカウンターもある。席に着くと、フランスの星つきの店と同じく、サービスの係が大勢いて、何か頼もうという仕草だけで、すぐに来てくれる。これこそ2つ星だ。

10000円のコースを頼んだが、どの料理も完璧なまでに美しい。きちんと魚や肉を出すが、重すぎない。前菜の「オマール海老と香味野菜のサラダ仕立て 苺のヴィネグレット」は声を挙げそうになるくらい鮮烈な赤。「すずきのポワレと春キャベツのブレゼ 赤ワインソース」は、すずきとキャベツの触感を楽しみ、「エピナのファルシ フランス産ウズラのロティ」は、肉汁のしみ込んだほうれん草がおいしかった。そしてデザートの前にチーズを好きなだけ選べる。通常はコースにチーズは含まれていないことが多いのに(あるいはデザートとどちらか)。

値段、味、盛り付けの美しさ、サービス、雰囲気すべて完璧に近い。何かの記念日に是非。

|

« 戦後史を語るあやうさ | トップページ | 『桐島、部活やめるってよ』の不穏さ »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/54662078

この記事へのトラックバック一覧です: 記念日に「エメ・ヴィベール」:

« 戦後史を語るあやうさ | トップページ | 『桐島、部活やめるってよ』の不穏さ »