フランス左派の高揚感
フランスの大統領選で、サルコジが負けて10日がたった。最新の仏誌『ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』を見たら、表紙に「やっと!」ENFIN !と書かれていて、オランドが三色旗を振る姿を載せていた。中身も高揚感溢れる記事ばかりだ。
もちろん『ヌーベル・オプセルヴァトゥール』誌は左派の週刊誌であり、正確に言うと5月革命以降にリッチになった元左翼(“キャヴィア左翼”と呼ぶ)が読む雑誌だ。それにしても、サルコジ大統領を耐えに耐えたという感じが出ている。
GW期間中に出かけたケープタウンで、フランスの友人たちと何度か選挙の話をした。みんなインテリなので誰もがサルコジを非難していたが、特に第一次選挙で極右のル・ペンが20%近く獲得して以降のサルコジの公約がひどかったという。ル・ペン支持者を囲い込むために外国人労働者が入国しにくくなる法律など、とんでもない約束を毎日作りだしていた。もし、サルコジが当選していたらそれらの公約をある程度守らねばならず、とんでもないことになる、と話していた。ある女性は、サルコジが当選したらフランスを出る、と宣言さえしていた。
さて『ヌーベル・オプセルヴァトゥール』誌では、冒頭のコラム(社説のような感じ)で、ロラン・ジョフラン編集長は「早急にこれまでと全く異なる、強力で組織だった政策が必要だ。マンデス=フランスが政権についた最初の9カ月のような、フランス版ニューディール政策のような」と書いている。
マンデス=フランスと言えば、首相に就いて一カ月でインドシナ戦争を終結させた人だ。ニューディール政策は、ルーズベルト大統領が、大恐慌から脱却するために、公共事業で雇用を促進したものだ。何だか時代が違うきがしてならないが、今のフランス左派は、こんな夢を見ているのかと思った。
左派と言えば、ミッテラン大統領は文化に大金をつぎ込み、国家財政を赤字にした。しかしそのおかげで、ルーヴル美術館の全面的改装やバスチーユ・オペラ座や国立図書館の新設など、21世紀もパリが人気都市であるための基礎ができたのではないか。
さて「普通の大統領」として現れたオランドに何ができるか。今の時代では、どの選択肢も極めて難しく、早い時期に破綻しそうな気がする。
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