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2012年7月22日 (日)

「新聞の映画評」評:7/20夕刊紙面

通常、金曜夕刊各紙の映画評は同じ映画が並ぶことが多いが、7月20日の紙面はバラバラでおもしろかった。翌日公開作品が、いろいろな意味ですべて「微妙」だったからだ。『ローマ法王の休日』『汚れた心』『おおかみこどもの雨と雪』『ジョルダーニ家の人々』『屋根裏部屋のマリア』『The Lady アウンサンスーチー』『灼熱の肌』……。

映画として明らかにレベルの高いのはモレッティの『ローマ法王の休日』だが、後半のモレッティ特有の展開が一般にはわかりにくい。この映画をトップに据えたのは野崎歓氏が書いた日経。読売も1番ではないが、主要3本に入れた(土屋元記者の「法王庁の改革を願う作り手の顔が見えてくる」には?)。毎日は先週2番目の扱いで、朝日はまた特オチか。

ビセンテ・アモリンの『汚れた心』は、演出は大げさで粗雑なうえに、音楽が多すぎる。しかし戦後のブラジルの「勝ち組」の話はあまりにも痛切で、心を動かされない日本人はいないだろう。毎日は一番の扱いで朝日は山根貞男氏が褒め、読売は短行、日経はナシ。

『ジョルダーニ家の人々』は6時間半の大作で、「『輝ける青春』のスタッフが再結集」という割には監督が違うせいか冴えない。それでも全部見るとそれなりの充足感はある。朝日は1番の枠に秋山元記者が書き、読売も3本の中に福島記者が書いている。日経は短行、毎日はナシ。

『屋根裏部屋のマリア』は、実はよくできた小粋なフランス映画だが、影が薄い。毎日は主要3本に入れたが、朝日、日経は短行、読売はナシ。

『The Lady アウンサンスーチー』は未見だが、このテーマでリュック・ベッソンだと引いてしまう。毎日が3本に入れたほかは、日経、読売が短行、朝日はナシ。

それから『おおかみこどもの雨と雪』は、読売、日経が大きな扱い。毎日、朝日はナシ。アニメはやはり差が激しい。『灼熱の肌』は、フィリップ・ガレルのある意味失敗作だし、少し前に『愛の残像』もあったしで、各紙引けている。それでも朝日、日経、読売で短行はさすが。

ここまで書いていたらもう30分もかかって、疲れてしまった。やはり総合的に一番は日経、次が読売。朝日、毎日は「独自の戦い」がおもしろいとも言えるが。

『ローマ法王の休日』については私もWEBRONZAに書いたので、読んでください(笑)。


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