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2012年7月30日 (月)

美術でない展覧会3つ

美術展でない展覧会は難しい。絵は壁にかけるだけでそれらしくなるが、例えば漫画の展覧会をやろうとして、雑誌を並べても、原画を並べてもなかなか良くは見えない。今回見たのは映画とファッションと建築を扱った3つで、日本が世界に誇るジャンルだ。

まず東京都現代美術館で「特撮博物館」展を見た。「館長 庵野秀明」と書いてあり、副題が「ミニチュアで見る昭和平成の技」。美術館でやる企画展に外の人間が「館長」を名乗るとは大した度胸だが、内容は期待したほどのことはなかった。これまでの特撮に使われたミニチュアを集めてきて展示するのが中心かと思ったが、それらはやはり古道具屋から取り出してきたみたいで冴えない。

新作の『巨神兵東京に現わる』という短編を大画面で見せて、そのセットを披露するのが中心だ。昔の特撮映画風に撮ったものだが、わざとらしい気もする。チラシにはジブリの鈴木敏夫氏の文章に、庵野氏が特撮のミニチュアや資料を保存するきっかけを見つけるためにこの展覧会を企画した由が書かれているが、その必要はあるのか。最終的な映画が残っていればいいのではと思った。会場にはいかにも「オタク」風の男たちが、10代から50代まで揃っていた。

同じ現美で次に見たのは「日本ファッションの未来性」展。こちらは欧州を巡回した展覧会の帰国展のようだが、展示デザインが見事なので見応えがある。特に冒頭の1983年頃の川久保玲や山本耀司の黒や白のドレスに息を飲む。その頃のパリコレの映像があったが、見ていてその迫力になぜか涙ぐんでしまった。

その後も「平面性」とか「伝統と革新」などテーマ別に現代のファッションまで並ぶ。見ていて何とも心地よい。高田賢三や森英恵が1点だけ出ていたのは配慮だろうか。川久保玲らの過去のパリコレの作品が京都服飾財団の所蔵になっているのを見て、安心もした。特撮のミニチュアと違ってこれは保存が必要だ。
現美の特撮展とファッション展は10月8日まで開催。

東京都美術館で見たのは、「生きるための家」展。これについては後日書く。

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