« 謎のバーン=ジョーンズ展 | トップページ | 5時間半の『カルロス』 »

2012年7月24日 (火)

『ヘルタースケルター』は女子会状態

『ヘルタースケルター』を六本木のシネコンで見た。蜷川実花は写真家としても好きではないし、監督作品『さくらん』も映画になっていないと思ったので、試写は見なかった。ところが公開が始まってみると、教えている大学の女子学生たちが口々に話題にしている。

それにずいぶん入っているらしい。最初の3日間で興収が3億円を越しており、15億円は行きそうだ。というわけで見に行って、驚いた。平日の昼間だったが、グループで来ている20代女性が大勢いる。30代、40代も、2、3人連れの女性が多い。女子会のような映画館だ。カップルは1割くらいと少なく、なぜか40代、50代の会社員風のおじさんが、ポツポツといる。

映画の中身も女子会だった。蜷川実花のコケおどしのようなド派手な演出(父親の芝居に少し似ている)に、女優りりこ役の沢尻エリカの体がビンビン反応して泣き笑いする。水族館やプールを使ったイメージ優先のシーンの連続。あげくの果ては、クスリ漬けになって現実と幻想が入り混じる。りりこが沢尻と完全にダブって見える。

りりこの事務所社長役の桃井かおりや整形外科医役の原田美枝子らもドギツイ中年女性を見せる。りりこのマネージャー役の寺島しのぶもピッタリ。りりこを追い抜く新人女優役の水原希子も輝いている。それに比べて刑事役の大森南朋を始めとして男優たちは影が薄い。

執拗に渋谷の若い女性たちを写し、いかにも「現代の東京」を見せようとしている点も含めて、映画としてはつまらない。その繰り返しの映像の多さに、私は30分で退屈してしまった。けれど、見終わるとそれなりの見ごたえを感じたのは、監督の蜷川実花と沢尻エリカが捨身で現代の東京とシンクロしようとしているからだろうか。

それにしても、映画の途中でトイレに行く客がこれほど多いのは初めてだ。テレビと同じ感覚か。ある意味で映画に慣れていない観客を映画館に連れてきたわけで、企画力の勝利ではある。

|

« 謎のバーン=ジョーンズ展 | トップページ | 5時間半の『カルロス』 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/55267529

この記事へのトラックバック一覧です: 『ヘルタースケルター』は女子会状態:

« 謎のバーン=ジョーンズ展 | トップページ | 5時間半の『カルロス』 »