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2012年7月10日 (火)

中国の興行収入が日本を超える

日経新聞の金曜夕刊には、映画評のほかに時々「シネマ最前線」という広告特集があって、これが意外とおもしろい。左肩の「キーマンに聞く」という欄は映画業界の友人がよく出てくるし、それ以上に記事にない情報がある。先週末は「急成長する中国市場」。

そこでびっくりしたのは、今年で中国の興行収入は日本を抜くという部分だ。Hollywod Reporter誌のデータだが、中国の興収は08年が6億3000万ドル、09年が9億800万ドル、10年が14億7000万ドルと前年比40%で増え続け、11年は21億ドル=1600億円。日本は昨年で1800億円だから、確かにこのまま行けば、日本を抜く。

既に『メン・イン・ブラック3』の米国以外の興収は、1位が中国で7600万ドル、2位が日本で3700万ドル、3位がロシアで3600万ドルと映画によっては中国は日本の2倍だ。ハリウッドは、何もしなくてもある程度観客が見込める日本より、伸び盛りの中国へのシフトを急激に進めるだろう。あと2年もすると、スターのジェット機での来日はなくなるかもしれない。

個人的には大いに結構、と思う。ハリウッドを始めとする世界の映画界が新しい観客を見つけて潤うわけだし、中国人も外国映画を大量に見れば、下からの民主化が自然と進むだろう。

日本がどれだけ邦画を売り込めるかは疑問だが、文化圏は近いので、長期的には日本映画は売れるようになるのではないか。あるいは、日本の洗練された映画宣伝の手法を中国に教えるような人が出たらおもしろいと思う。アメリカからやって来たコンビニを日本化して、アジア中に作っている時代なのだから。でも上り調子のコンビニやユニクロと違って、今の日本の映画界にはそういう人材は少ないかもしれない。

日本国内に関して言えば、世界各地の映画が見られる国であって欲しい。興収では中国に負けても、多様性で1番であり続けたらすばらしい。しかし昨今のアート系映画の不振ぶりを見ると、それも難しいかもと思ってしまう。私も『崖っぷちの男』がおもしろいなどと言っている場合ではない。

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