« 映画『イラン式料理本』の | トップページ | 『東京プリズン』に? »

2012年8月 4日 (土)

ちょっと違った映画『思秋期』

映画は時間を取られるので、試写を見に行くのは一種の賭だ。公開後だと映画評や見た人の話などでだいたい自分に向いているか、まずわかる。試写の場合は、小さな試写状をためつすがめつ裏表眺めて、行くべきか考える。最近、「違った」と思ったのがイギリス映画『思秋期』。

試写状でいくつもの映画祭で賞を取っていると、思わず気になる。本来ならカンヌにしか使わないはずの棕櫚で左右を挟まれて「○○映画祭××賞受賞」が並んでいると、何となく「見なくちゃ」と思ってしまう。『思秋期』は、たくさん棕櫚マークがあって、「主要映画賞25部門以上受賞&ノミネート」と書かれていた。

映画は、ピーター・ミュラン演じる失業中の中年ジョゼフが、チャリティ・ショップで働く女と出会う話だ。妻を亡くして自暴自棄に陥った中年男が、オリヴィア・コールマン演じる天使のような女ハンナに救われてゆくのか思って見ていたら、違った。ハンナは暴力夫を抱えており、問題はそちらの方が深刻だ。後半はハンナは夫に殴られるはレイプされるはで、むしろジョセフが心の支えになる。

終盤の展開も含めて、何とも後味が悪い。確かにつらい人生を送る人々は多いだろうし、彼らを描いた秀作も多いのだが、こんなに救いがなく、かつ映画としての視覚的な楽しさも少ないと、ちょっと気が滅入ってしまう。

世界各地で高い評価を得ている作品だし、水準以上の映画であることは間違いないので、ほめる人も多いかもしれないが。10月20日公開。

全く関係ないが、最近『アヴェンジャーズ』の広告の「日本よ、これが映画だ」というキャッチが、気に障る。アメコミ映画に言われたくない、大きなお世話だと思っていた。ところが昨日の朝日夕刊を見ていたら、『桐島、部活やめるってよ』の広告で「ハリウッドよ、これが日本映画だ」というキャッチがあった。こういうユーモアは好きだし、本当にこの映画についてはそう思う。

|

« 映画『イラン式料理本』の | トップページ | 『東京プリズン』に? »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/55346848

この記事へのトラックバック一覧です: ちょっと違った映画『思秋期』:

« 映画『イラン式料理本』の | トップページ | 『東京プリズン』に? »