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2012年8月17日 (金)

待ちに待った『のぼうの城』に?

水攻めがあるために、大震災後に公開が延期になった『のぼうの城』がようやく11月2日に公開されるというので試写を見た。会場は満員で入れない人がいたくらい。ところが映画の出来は、私には「?」だった。

出だしで市村正親演じる豊臣秀吉が派手に威張るシーンから、どうもピンとこない。この舞台出身の俳優は、『テルマエ・ロマエ』のような色物だとおかしいけれど、ストレートにドラマチックだと引いてしまう。それから主人公の「のぼう」こと長親役の野村萬斎が、別の意味でしっくりこない。映画とは別の世界を構築して一人で演じている感じだ。

一番盛り上がるはずの長親の船上の田楽踊りも、それこそ歌舞伎や狂言を見ている時のお約束の型としてのおかしみのようで、映画らしい自然な感情の発露はない。

確かに周囲を湖に囲まれた忍城のオープンセットはすごい。これだけ迫力のあるロングショットを日本映画で久しぶりに見た。特に水攻めのシーンで、大量の水が城に向かって唸るように流れ込む瞬間は息を飲む。しかし、この水攻めが破られる瞬間はもっと劇的に作ってほしかった。

少数の武将が大群を破るというのは、『七人の侍』や最近では『13人の刺客』でも見たが、それらに比べて装置の工夫が少なすぎる。巧妙にしつらえた装置が完璧に機能する映画的瞬間がなかった。そう言えば「百姓」や「民衆」の笑いが、黒澤映画の悪い模倣のようで、何ともわざとらしかった。

ただ、試写会場では笑いも何回も上がっていたし盛り上っていたので、「?」なのは私だけかもしれない。

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