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2012年8月27日 (月)

『プロメテウス』の謎

リドリー・スコット監督の『プロメテウス』がおもしろかった。途中からこの監督の出世作『エイリアン』に近づいてゆくが、それも含めてまるで「エイリアン 創世記」みたいで嬉しかった。しかし、果たして「創造者」は何をしたかったのか、根本的なところが全く謎だ。

2089年。世界各地の古代遺跡から、星を示す巨人の絵が見つかる。「創造主」の星をめざして、宇宙船プロメテウスは出発する。2年間の睡眠の後に起き上がる隊員たち。

最初に出てくる創造主らしい男が飲む液体は何か。宇宙船がたどり着いた惑星は、大量破壊兵器開発用のものだったようだというのは極めて現代的だが、なぜそれで地球を破壊するために旅立つのか。あるいはなぜ創造主は地球から来た人々を蹴散らすのか。そしてなぜ挙句の果てに、エイリアンと化した生物兵器と戦わねばならないのか。

私がSFに詳しくないこともあって、そういう根本的な謎は解けずじまいだった。けれども科学者エリザベス(ナオミ・ラパス)の頑張りぶりが『エイリアン』のシガニー・ウィーバーを彷彿とさせるし、アンドロイド役のマイケル・ファスベンダーが実は悪事を働いたり、企業代表役のシャリーズ・セロンが意外にいい奴だったりと、登場人物たちが魅力たっぷりだ。

惑星の中核には巨大な顔の像や、無数の壺があり(無声映画の『カビリア』みたいだ)、そこにスイッチを入れると、黄緑の美しい光線が3Dで舞う。宇宙の物質感が、これほど触覚的に3Dで表現されたのはたぶん初めてだろう。それだけでも魅了される。

そして後半のエイリアンとの戦いは、「人類の起源」など関係ないアクションの連続で、何とも懐かしい。ヒロインが一人で勝ち抜く姿がカッコいい。

私にとってはあくまで『エイリアン』の続編だったが、若い人はどう思うのだろうか。日劇で日曜4時45分の回に見たが、客は1/5くらいか。意外と年配の客が多かったのも気になった。

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» 映画:「プロメテウス」 Prometheus 人類の源流探しでもありつつ、 リドリーのエイリアン源流への旅。 [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
タイトルが出るまでの、オープニングのインパクトがまず凄い。 わずか数分間で、今回のテーマは「人類の源流」探し、だと明示する。 まるで2001年 宇宙の旅 (2001 A Space Odyssey)を思い出させるような映像も登場。 そして直後のエピソードもその明示を強化しつつ、主...... [続きを読む]

受信: 2012年8月30日 (木) 00時12分

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