« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月

2012年9月30日 (日)

戦後の合作映画は珍品揃いか(1)『楊貴妃』

戦後、1950年代の半ばくらいから、日本映画に合作が増える。多いのはサミュエル・フラー監督『東京竹の家』(55)やアラン・レネ監督『二十四時間の情事』(59)のように外国の監督が日本で撮ったものだが、これが珍品揃いだ。逆に日本が中心でアジアの国との合作で撮ったものもある。

続きを読む "戦後の合作映画は珍品揃いか(1)『楊貴妃』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月29日 (土)

映画『サンライズ』の思い出

先日、ムルナウの傑作『サンライズ』(1927)を見直していて、あることを思い出した。26年前のちょうど今頃の季節に、フランスの国立映画学校の入試を受けた時のことだ。1次に通った後、2次試験は筆記と面接で、筆記でこの映画の一シーンが出た。

続きを読む "映画『サンライズ』の思い出"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月28日 (金)

何とも懐かしい『銀の匙』

ある時書店で、ふと一冊の文庫本に目が留まった。中勘助著『銀の匙』で、ずっと昔、中南米に出張した時に読んだ記憶がある。その時は、その本をアルゼンチンの日系人にお世話になったお礼に渡したため、手元にはなくなっていた。

続きを読む "何とも懐かしい『銀の匙』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月27日 (木)

反時代的な『白夜』公開

10月27日からリバイバル公開されるロベール・ブレッソン監督『白夜』(1971)を見た。35ミリのニュープリントだったが、昨今のデジタル上映に慣れてしまった目には、とてつもなく反時代的なものに見えた。

続きを読む "反時代的な『白夜』公開"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月26日 (水)

長生きするには

最近、食べる量を減らす健康法が流行っている。ここで書いたように、私と同年輩の友人で実際に実践している人も数名。さて、最近パリや東京の映画関係者で高齢で元気な方々と立て続けに会った。みんな80以上の方だが、食欲旺盛な方ばかりだった。

続きを読む "長生きするには"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月25日 (火)

松尾邦乃助『巴里物語』は他人事ではない

いやあ、おもしろかった。先日ここに書いた松尾邦之助が1960年に書いた『巴里物語』のことだ。初版本が「日本の古本屋」に2000円くらいで出ていたので買ったが、いかにも安っぽい装丁だった。

続きを読む "松尾邦乃助『巴里物語』は他人事ではない"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月24日 (月)

それでも東京国際映画祭を見捨てない:その(1)

1985年にできた時から、東京国際映画祭は「これは違う」と思った。その頃は海外の映画祭にはカンヌに一度行ったきりだったが、それでもタモリが司会をしてフジテレビが中継する様子は「違う」と思った。あれから四半世紀以上過ぎ、当時怒っていた友人たちの多くは「東京国際映画祭に期待しても無駄だ」と言うようになった。

続きを読む "それでも東京国際映画祭を見捨てない:その(1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月23日 (日)

またまたパリのビストロについて

帰国してもう2週間になるが、あと1回だけパリのことを書くので、お付き合いを。今回パリは3泊しかしていないが、3日間、昼、夜とパリの友人たちと食事をした。彼らがどんなところに連れて行ったかについて、忘れないうちに書いておく。

続きを読む "またまたパリのビストロについて"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月22日 (土)

「二人展」のおもしろさ

「二人展」というと、友人同士や夫婦が画廊でやる展覧会、というイメージだが、国立新美術館で10月22日まで開催中の「辰野登恵子 柴田敏雄 与えられた形象」という題名の二人展は、全く違っていた。そもそも作風の違い以前に、絵画と写真という異なるメディアを使う2人の作品が、そこでは不思議な化学反応を起こしていた。

続きを読む "「二人展」のおもしろさ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月21日 (金)

またフランス映画の傑作を見た

最近のフランス映画はダメですね、というのが私の口癖だが、そうではなくなってきた気がする。現在上映中の『わたしたちの宣戦布告』や共に12月15日に公開の『最初の人間』と『マリー・アントワネットに別れをつげて』に続き、今回見た12月公開の『愛について、ある土曜日の面会室』を見てそう思った。

続きを読む "またフランス映画の傑作を見た"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月20日 (木)

ウディ・アレンのドキュメンタリーは抜群におもしろい

11月10日に公開されるウディ・アレンをめぐるドキュメンタリー映画『映画と恋とウディ・アレン』が抜群におもしろかった。彼がどのようにして監督になり、何をめざして作っているかを、2時間近く作品ごとにたっぷり見せてくれる。

続きを読む "ウディ・アレンのドキュメンタリーは抜群におもしろい"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月19日 (水)

またまた渋いフランス映画の傑作を見た

『マリー・アントワネットに別れをつげて』に続いて、フランス映画で渋いがなかなかの傑作を見た。12月15日に公開されるジャンニ・アメリオ監督の『最初の人間』だ。アメリオは『家の鍵』などで知られるイタリアの監督だが、これは仏伊合作のフランス語作品。

続きを読む "またまた渋いフランス映画の傑作を見た"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月18日 (火)

怪人、松尾邦之助

最近、戦後フランスにおける日本映画研究の始まりの部分を調べている。特にマルセル・ジュグラリスという、1956年に外国語で最初の日本映画史の本を書いた人がおもしろい。ジャーナリストとして1951年に来日しながら、フランス映画を日本に広めると同時に、日本映画をカンヌを起点に世界に紹介した人だ。

続きを読む "怪人、松尾邦之助"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月17日 (月)

『天地明察』を楽しむ

始まったばかりの映画『天地明察』を見て楽しんだ。いい意味での娯楽映画にできあがっている。何といっても、登場人物を見ているだけで嬉しくなる。主人公の安井算哲を演じる岡田准一の素直さと真剣さ、その妻となるえん役の宮崎あおいの優しさとユーモア。

続きを読む "『天地明察』を楽しむ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月16日 (日)

JALはやはり変だ

海外旅行から帰ってもう1週間だが、もう一つ旅行ネタ。私は数年前から海外に行く時は、極力日本航空JALに乗るようにしている。JALが経営危機というから、せめて応援しようという、私には珍しく愛国的な動機だった。東北大地震の時に、われ先に逃げたフランス人やドイツ人、イタリア人が厭になったこともある。

続きを読む "JALはやはり変だ"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月15日 (土)

海外旅行にぴったりの『火宅の人』

海外旅行から戻って1週間ほどだが、その時に読んだ檀一雄の『火宅の人』は、飛行機の中やホテルで読むのにぴったりだった。文庫本で上下2巻あるが、全体に流れる「天然の旅情」(文中に何度か出る言葉)が、旅行の気分にあう。

続きを読む "海外旅行にぴったりの『火宅の人』"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月14日 (金)

新しいマリー・アントワネット映画

12月15日公開のブノワ・ジャコー監督『マリー・アントワネットに別れをつげて』は、マリー・アントワネットをめぐる全く新しいバージョンの映画だ。この映画には、デュバリー夫人との確執も、首飾り事件も、バスチーユの襲撃も、国王夫妻の逃亡劇も、そしてマリー・アントワネットのギロチンもない。

続きを読む "新しいマリー・アントワネット映画"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月13日 (木)

やはり竹中直人はただ者ではない

来年の2月2日に公開される竹中直人監督『自縄自縛の女』を見た。「女による女のためのR-18文学賞」を取ったという原作も知らず、予備知識ゼロで見たが、これが実におもしろかった。やはり竹中直人はただ者ではない。

続きを読む "やはり竹中直人はただ者ではない"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月12日 (水)

そこそこのフランス映画2本

「そこそこの日本映画」に続いて、「そこそこのフランス映画」について語りたい。見たのは、11月10日公開の『チキンとプラム』と10月公開の『みんなで一緒に暮らしたら』。1本を見て帰ろうと思ったら友人と会って、もう1本見た。

続きを読む "そこそこのフランス映画2本"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月11日 (火)

ペルー料理の衝撃

帰国して初めての外食は、ペルー料理だった。今年6月に乃木坂にできたばかりの「ナスカ」という店に、スペイン人の友人に連れられて行った。これがちょっとした衝撃だった。

続きを読む "ペルー料理の衝撃"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月10日 (月)

そこそこの日本映画3本

そこそこ良かった日本映画3本について書きたい。1本は帰国した日に映画館で見た『あなたへ』、ほかの2本は往復の飛行機で見た『宇宙兄弟』と『愛と誠』。

続きを読む "そこそこの日本映画3本"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 9日 (日)

パリの2本

パリでは、空いた時間に2本だけフランス映画を見ることができた。1本はカンヌに出たレオス・カラックス監督の「ホーリー・モーターズ」Holy Motorsで、もう1本はベネチアのコンペで見損ねたグザビエ・ジャノリ監督の「スーパースター」Superstar。


続きを読む "パリの2本"

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2012年9月 8日 (土)

ネットとパリの書店

今回のパリで初めての体験は、ネットで注文して実際に本屋を訪ねるというもの。かつてはパリに行くたびに映画専門の数軒の本屋に立ち寄って、長い時間を過ごしたものだ。日本にはほとんど存在しない映画専門の書店という空間の中で、仏語と英語を中心に世界中の言語で書かれた本を眺めるのは本当に楽しかった。

続きを読む "ネットとパリの書店"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 7日 (金)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(7)終わりの4本

ベネチア最後の日は4本を見た。コンペのヴァレリア・サルミエント監督「ウェリントン線」Linhas de Wellingtonは、昨年亡くなったラウル・ルイスの企画を、編集を担当してきたパートナーが監督したもので、ナポレオンのポルトガル進軍に対して、イギリス兵とポルトガル兵が戦う様子を描いた歴史劇。

続きを読む "変わりゆくベネチア国際映画祭:その(7)終わりの4本"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 6日 (木)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(6)アサイヤスの新境地

用事で既にベネチアを離れたが、しばらく映画祭について続けたい。コンペで個人的に一番気に入ったのが、フランスのオリヴィエ・アサイヤス監督の「5月の後に」Apres maiだ。「5月」はもちろん1968年のフランスの5月革命のことで、この映画は1971年の高校闘争から始まる。学校を壊したりして逃げ回り、イタリアに行くが、理想郷はどこにもない。

続きを読む "変わりゆくベネチア国際映画祭:その(6)アサイヤスの新境地"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 5日 (水)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(5)テレンス・マリックの失敗など

きょうは苦手だった2本について語りたい。まず、本当に嫌いだと思ったのは、テレンス・マリックの「驚きへ」To the wonderだ。『ツリー・オブ・ライフ』で退屈な哲学を語ってしまったテレンス・マリックは、それが評価されたことでとうとう本当に好き放題のことをしてしまった感じ。

続きを読む "変わりゆくベネチア国際映画祭:その(5)テレンス・マリックの失敗など"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 4日 (火)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(4)客層

今回ベネチアに来て一番思ったのは、中国語を話す女性ジャーナリストがずいぶん増えたことだ。5年くらい前までは香港と台湾をあわせて数人という感じだったが、今でではたぶん30人以上。20代の若い女性たちがだいたい数名ずつ集まっていて、北京語や広東語で議論している。

続きを読む "変わりゆくベネチア国際映画祭:その(4)客層"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 3日 (月)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(3)

昨日は、コンペで興味深い作品が2本あった。1つはポール・トーマス・アンダーソンのアメリカ映画「マスター」The Masterで、もう1本はダニエレ・チプリのイタリア映画「息子だった」E stato il figlio。2本とも、物語は無茶苦茶だが、ひたすら映像で見せてくれた。

続きを読む "変わりゆくベネチア国際映画祭:その(3)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 2日 (日)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(2)

これから数日は、映画祭で見た映画について、メモ風に印象をまとめてゆく。まず良かった映画は、パスカル・ボニツェール監督のフランス映画「オルタンスを探せ」Cherchez Hortance。大学教授がある頼まれごとを国会の議長である父親のコネを使って解決しようとするという、一見くだらない内容だが、これがユーモアとスリル一杯だ。

続きを読む "変わりゆくベネチア国際映画祭:その(2)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年9月 1日 (土)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(1)

今年、ベネチア国際映画祭のディレクターが変わった。マルコ・ミュラーに代わり、前に既にディレクターを務めたアルベルト・バルベラが再任された。しょせんベネチアだから、ある程度の話題作が集まっているのは間違いないが、全体にトーンが変わったように思う。

続きを読む "変わりゆくベネチア国際映画祭:その(1)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »