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2012年9月12日 (水)

そこそこのフランス映画2本

「そこそこの日本映画」に続いて、「そこそこのフランス映画」について語りたい。見たのは、11月10日公開の『チキンとプラム』と10月公開の『みんなで一緒に暮らしたら』。1本を見て帰ろうと思ったら友人と会って、もう1本見た。

『チキンとプラム』はアニメ『ペルセポリス』で有名なマルジャン・サトラビとヴァンサン・パロノーの実写映画。主人公がマチュー・アマルリックで、その妻役がマリア・デ・メデイロス、母親がイザベラ・ロッセリーニで、占い師としてキアラ・マストロヤンニが出てくる。映画マニアをそそるキャストだが、物語は奇想天外。

死ぬことに決めた天才音楽家が、最後の8日間で人生を振り返るという構成だが、前半が暗い毎日を描くのに、後半の青春時代で突然明るくなる。息子の将来の話なども含めて何が起こるかさっぱり予想できない展開で、ついてゆくのが難しい。監督の漫画が原作と言うが、映画ではこの奇抜さはうまくいかない。『パリの屋根の下』のような出だしから才気煥発の映像の連続だし、イランの状況をあちこちに散りばめた才能は大いに買うが、実写だと『ペルセポリス』のような衝撃はない。

一方、ステファン・ロブラン監督の『みんなで一緒に暮らしたら』は、題名(原題そのまま)を聞いただけで内容が想像できそうな映画だ。実際、映画はその想像通りに進む。ジェーン・フォンダやジェラルディーン・チャップンらが演じる2組の老夫婦とその友人の男の5人が主人公で、1人がもらした「みんなで一緒に暮らしたら」という声に導かれて、共同生活が始まる。

彼らの世話をする学生役のダニエル・ブリュールも含めて、全員がいかにもそれらしい演技をし、予想通りの結末に至る。『チキンとプラム』とは全く逆で、こちらはあまり演出に才気は感じられないが、物語の運びがうまく、意外と乗せられる。『最強のふたり』もそうだが、最近は若手の監督にこうした大衆向けのフランス映画が増えた。

最近増えた「アート系老人映画」の典型だろう。当たるかしれない。

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