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2012年9月10日 (月)

そこそこの日本映画3本

そこそこ良かった日本映画3本について書きたい。1本は帰国した日に映画館で見た『あなたへ』、ほかの2本は往復の飛行機で見た『宇宙兄弟』と『愛と誠』。

降旗康男監督の『あなたへ』は、これを絶賛するかどうかで、ある種映画の趣味が試されるような映画だろう。もちろん作品のレベルは高いし、高倉健の渾身の演技だけでも見に行く価値がある。しかし私には、高倉も含めて登場人物たちの「いかにもそれらしい演技」が鼻についた。

演技と言うよりは、「文学的」な演出の問題だろう。朝日新聞の映画評で秋山登が「簡潔な描写で、多くを観客の想像力にゆだねる省略と暗示の手法が鮮やかだ」と絶賛した、まさにそこが甘いと思う。たとえばビートたけしや草薙剛の演技は本来ならもっとおかしいはずなのに、何か気づまりで無理して雰囲気を出しているようにしか見えない。

それでも妻や夫が亡くなったりしながらも、生き延びる中年の男女たちの姿が丁寧に描かれていて、私のような中年の心を打つ。映画館は50代以上ばかりだが、かなり込んでいた。

『宇宙兄弟』は、小栗旬と岡田将生の2人が宇宙飛行士を目指す映画で見ていて面白かったが、設定自体に無理があったように思う。マンガだとそれでいいのだろうが、映画だと宇宙飛行士の日々のリアリティがどこか作りものに見えてくる。但し飛行機で見たので、映画館で見たらもっと違ったかもしれない。

『愛と誠』は、飛行機の中で声を出して笑ったくらいおかしかった。そもそも古くさい設定なのに、それに加えて登場人物たちが、70年代や80年代のダサいヒット曲を次々と歌い出すのだから。それも3番まで歌う。三池崇史という監督は『ヤッターマン』でも『ゼブラーマン』でもそうだが、キッチュな設定におけるユーモアは抜群だと思う。それが『一命』のようなシリアスになると、面白さは半減するけれど。

それにしても、日本航空国際線の映画の選択はひどい。この2本以外にはほとんど見るものがない。これについては後日書く。

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