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2012年9月14日 (金)

新しいマリー・アントワネット映画

12月15日公開のブノワ・ジャコー監督『マリー・アントワネットに別れをつげて』は、マリー・アントワネットをめぐる全く新しいバージョンの映画だ。この映画には、デュバリー夫人との確執も、首飾り事件も、バスチーユの襲撃も、国王夫妻の逃亡劇も、そしてマリー・アントワネットのギロチンもない。

描かれるのは、レア・セドゥ演じる女王の朗読係シドニーから見た、革命直後のヴェルサイユ宮殿の数日間だ。彼女はちょっと生意気で、自分の感情を隠さない。その素直な感じが何とも魅力的だ。

彼女は女王が愛するポリニャック夫人の身代わりとなることを命じられるが、ポリニャック夫人を演じるヴィルジニー・ルドワイヤンが、ちょっといかがわしい感じでいい。彼女が裸で寝ているシーンなどたまらない。

ポリニャック夫人の服を着て馬車に乗るシドニーは、調子に乗って窓から顔を出して優雅に外を眺め、手を振る。それをいさめる女中姿のポリニャック夫人の悔しそうな顔といったら。そして、検問をくぐり抜ける時の上質のサスペンス。

そのほか、女王の身の回りの世話をするカンパン夫人を監督のノエミ・ルボフスキーが、ルイ17世を同じく監督のグザヴィエ・ボーヴォアが怪演している。そのほかの登場人物も見るだけでおかしい。そのせいか、女王マリー・アントワネットを演じるダイアン・クルーガーがいま一つ輝きに欠ける。

本物のヴェルサイユ宮殿を使い、鏡の間のような表向きの豪華な空間と、女中たちが走り回る暗くて狭い空間の対照もリアルだ。

個人的には、昔マリー・アントワネット展を企画した時を思い出して懐かしかった。ヴェルサイユ宮殿の一般には入れない裏側(プチ・アパルトマン)を見たり、プチ・トリアノンに入ったり、ルーヴル美術館で時計や女王の脱走の時の日用品一式などを借りたりした。

そんなこともあって私には十分おもしろかったが、一般的にはどうだろうか。これは何よりレア・セドゥの魅力を堪能する映画だから。彼女がポリニャック夫人の服を着るために全裸になるシーンでは、本当にドキドキした。

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