« そこそこのフランス映画2本 | トップページ | 新しいマリー・アントワネット映画 »

2012年9月13日 (木)

やはり竹中直人はただ者ではない

来年の2月2日に公開される竹中直人監督『自縄自縛の女』を見た。「女による女のためのR-18文学賞」を取ったという原作も知らず、予備知識ゼロで見たが、これが実におもしろかった。やはり竹中直人はただ者ではない。

見る前は、たぶん竹中直人が出てきて例の暑苦しい表情で体中に縄を巻く場面が出てくると、勝手に想像していた。ところが、彼は一切出演しなかった。

主人公百合亜は、平田薫という清潔感溢れる女性が演じる。冒頭からデッサンが現れ、竹中のナレーションで物語が説明される。東京の広告会社でOLをする百合亜は、バカな部下や上司に囲まれて、屈辱的な日々を送っている。そのストレス解消に、大学時代にやったことのある自縄自縛を自宅で始める。

それだけの話だが、静かに自分の体に縄を巻く平田薫が抜群にいい。大学時代の恋人役の綾部祐二に始まって、会社の上司役の安藤政信や津田寛治など、まわりを取り巻く男女がすべて「超」のつくようなバカばかりで、おかしさを通り越している。

そんな中で百合亜の縄巻きはエスカレートする。完全に縄を巻いた上にTシャツを着てジョギングしたり、ついには縄の上に服を着て会社に行ってしまい、上司に気づかれる。

仕事でさらなる屈辱を受けた百合亜は、休みを取って自縛し、手錠をかけて鍵を自分あてにポストに投函する。あえて部屋の鍵を開けていると、翌日現れたのは心配した上司だった。

女性の体を扱いながら、映像で見せるシーンと見せないシーンを巧みに使い分ける竹中の演出力に驚嘆した。男女の絡みで一切男性を写さなかったり、ラストの海岸のシーンで主人公が突然大きな黄色の外車を運転したり、時々びっくりする映像がある。

内容からして珍品扱いされそうだが、見終わって映像の新しさに溢れた女性映画だと思った。

|

« そこそこのフランス映画2本 | トップページ | 新しいマリー・アントワネット映画 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/537538/55645631

この記事へのトラックバック一覧です: やはり竹中直人はただ者ではない:

« そこそこのフランス映画2本 | トップページ | 新しいマリー・アントワネット映画 »