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2012年9月 2日 (日)

変わりゆくベネチア国際映画祭:その(2)

これから数日は、映画祭で見た映画について、メモ風に印象をまとめてゆく。まず良かった映画は、パスカル・ボニツェール監督のフランス映画「オルタンスを探せ」Cherchez Hortance。大学教授がある頼まれごとを国会の議長である父親のコネを使って解決しようとするという、一見くだらない内容だが、これがユーモアとスリル一杯だ。

まず、主演のジャン=ピエール・バクリとその妻で舞台演出家役のクリスティン・スコット・トーマスと息子の会話が抜群におかしい。そして、バクリが知りあう若い女性、彼が父親と行く日本料理店の不思議な日本人店員、妻が浮気する若い俳優などがこんがらがって渦が巻き起こり、止らなくなる。ユーモアと知性溢れる脚本と編集を堪能した。これはコンペ外の、招待作品。

イタリアの人気俳優ルイジ・ロ・カーショの初監督作品「理想の都市」La citta idealeは、脚本も主演も本人だが、良くも悪くも自意識過剰なこの俳優らしい作品だった。本人演じる主人公は、シチリア生まれで「理想の都市」シエナで建築家として暮らしているが、エコロジーにはまって、みんなに嫌がられている。物語は彼が何年かぶりに車を運転したところ、ひき逃げ事件に巻き込まれるというもので、ユーモアとサスペンスが入り混じり、ちょっと不思議なテイストの映画になった。これは批評家週間のオープニング作品。第一回監督作品としてはなかなかの出来。

そのほか、スパイク・リーの「バッド25」Bad 25は、マイケル・ジャクソンを巡るドキュメンタリーで、インタビューばかりでいささか退屈。イタリアのカルロ・マッツァクラーティ監督の「アフリカ医師団」Medici con l'Africaは、同じドキュメンタリーでも、アフリカを援助するイタリアの医師たちへの監督の誠実なアプローチが好感が持てた。

「ベネチア・クラシック」では『カルメン故郷に帰る』が上映されたが、その解説をイランのアミール・ナデリがやったのは驚いた。「キノシタサン」と「サンづけ」で呼び、日本好きを必死でアピールしていた。


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